ホストの信用を失った Air BB

昨日の夜、Air BBからメールが来ていました。
CEOからのお詫びのメッセージと、
ホストへの救済策についてのメールです。

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順を追ってお話ししますと、
コロナウイルスが広がり始めたころの3月11日、
Air BB は『新型コロナウイルス(COVID-19)に関連する酌量すべき事情ポリシー』
というものを発表しました。

これは、コロナウイルス関連で旅行を取りやめたお客さんに対し、
キャンセル料を課さずに全額返金するというものでした。

でも、この発表、
ホスト(宿を提供している私たち)に対してなんの事前連絡もなく、
突然アナウンスされたのです。

私もこれを知った時は、驚きました。
見込んでいた収入がゼロになるわけですから、
きっとこれは揉めるだろうな・・・と思ったのです。

案の定、その後ホストたちから激しいクレームが来たようで、
ホストに対するお詫びと救済策を知らせてきたのです。

昨日届いたメールによりますと、
3月14日以前に確定していた予約のうち、
3月14日から5月31日までの予約については、
25%のキャンセル料を
Air BB がホストに払うことにしたそうです。

これを読んだ皆さんは、
「Air BBはなんて優しいのだろう」と思ったかもしれませんが、
私は呆れてしまいました。

と言いますのも、
あまりにお粗末な経営手腕だなぁ・・・と思ったのです。


まず、キャンセル料を無料にすることを勝手に判断して、
アナウンスしたことについて、
その浅慮さに呆れます。

人道的な立場から・・という言い分は分かります。

でも、大抵の人は旅行保険に入っていたり、
旅行保険に入っていなくても
クレジットカードで代金を支払ったときには
自動的に旅行保険や保証が付帯するケースが多く、
仮にお客さんがキャンセル料を払う羽目になったとしても、
そのうち多くの人たちは保険でカバーできたと思います。

また、敢えて言わせていただくと、
同業のBooking.com は特別措置はせず、
粛々と規定のキャンセルポリシーを適用していました。

私の家でも Booking.com 経由の予約のうち、
1つの予約だけ無料キャンセル期間を過ぎてから
キャンセルされた予約がありましたが、
そちらについては Booking.com は
粛々と規定のキャンセル料を徴収していました。


さらに、Air BBは
予約するお客さんにも15%くらいの手数料を払わせていますが、
ホスト側からも5%前後(金額によります)の
手数料を取っているのです。
つまり、私たちはAir BBにとっては
『お客』でもあるわけです。

でも、私たちが払う手数料は、
Air BBからの入金と相殺されるため、
キャッシュフローは生じません。

実際にAirBBの口座にお金を振り込むのは『予約者』であるため、
Air BB は単純にお金の流れだけを見て
『お金を払ってくれる』予約者だけを『守るべき顧客』と判断し、
陰で手数料を払っているホストのことは考えもせずに、
予約者に『全額返金』と打ち出したことになります。

『顧客を守る、人道的な立場』と主張するのであれば、
私たち第二の顧客に対しても、
同様に人道的な処置をすべきだったと思います。


正直なところ、
Air BB はツールを提供しているだけであって、
お金を生み出すリソースはホストが提供している『宿』です。

ホスト(=宿)なくしては、
お金は生まれないはずなのに、
その点を理解していなかったとしか思えません。

お金の流れだけを見て、
実際に入金をしている予約者だけを保護することにしたばかりか、
ホストが見込んでいた収入を
すべてゼロにしてしまったわけですから、
ホストたちが怒るのも当然です。

ホストによってはAirBBからの収入を当て込んで
ローンを組んだ人もいるでしょうから、
それが急にゼロになったら、
ローンを滞納したり、生活費に困ったりと
死活問題になる人もいると思います。

イギリスは3か月のローン・ホリデー政策を打ち出しましたが ↓
他の国は、そんなことはしていないと思います。

CEOのお詫びメッセージの中でも、
ホストの信頼を裏切ったこと、
これからはホストとの関係を第一に考えることなど、
言葉を尽くして謝罪していましたが、
一度失った信用を取り戻すのは一筋縄ではいかないと思います。


それにしても・・・少し考えれば、
そのアナウンスにより生じる被害や迷惑は
すぐに想像できそうなものなのに、
何も考えていない(経営能力がない)のか、
ホストのことを軽んじているのか
(自分たちなしには収入が生まれないから、と見下していた?)、
いずれにせよ、理解に苦しみます。

他の同業他社と足並みをそろえるとか、
キャンセル料を課すか課さないかはホストの裁量に任せるとか、
そういう発想は生まれなかったのでしょうか?


そして、その浅慮さの代償として、
本来であればゲスト(もしくは保険会社)が
負担するはずだった25%のキャンセル料を、
Air BB が自腹で払うことになったわけです。

その金額たるや、
なんと2億5000万ドルだそうです。

これは『経営』という観点から見ると、
かなり致命的なミスだと思います。

私の会社だったら、
これだけの損を出した人は
容赦なくクビになっていると思います。


さらに、Air BB社員からもお金を募って、
スーパーホストと呼ばれる優良なホストを対象とした
1000万ドルの基金を設けたそうです。

この基金には、
創業者2人も合計で900万ドル払ったらしいです。

900万ドルと聞くと高額ですが、
『Forbes』という経済雑誌によると
創業者の1人であるCEOの資産は380億ドルらしいので、
大した負担ではないのかもしれません。


Air BB は24歳の若者が、
それまで Sofa Surfer と呼ばれるサイトで行われていたことを、
Air BB として専門のポータルを作って始めたものです。

12年を経て誰もが知っている企業になりましたが、
経営者としての経験や知識のない若者が始めた企業だから、
仕方がないのかな?と思ったりもします。

でも、そんな人が経営している企業だと知った今、
今後、また何か事件が起きた時に、
ちゃんと対応してもらえるのかな?と心配になります。


私のような新参者ですら心配しているのですから、
長年 Air BB を続けてきたホストたちの怒りと
不信感は相当なものだと思います。

もし、今、
Air BB みたいなサイトを作ろうと思っている人がいたら、
ホストの信頼が離れている今がチャンスかもしれません。

きっと、今なら
「Air BB をやめたい」と思っている人は多いと思いますから(苦笑)

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posted by イチイ at 23:50Comment(2)イギリスで不動産を買う