ナショナルギャラリーのレクチャー

昨日は夕方からナショナルギャラリーの
無料レクチャーをウェブで受けました。

このレクチャー、とても人気があって、
2か月くらい前に申し込んだものなのです。

でも、さっき今後のレクチャーを予約しようと思ったら、
年会費を払ってメンバーにならないと
予約ができないようにシステムが変わっていました。

美術館もコロナウイルスのせいで
経営が厳しくなってきているのだと思います。

年会費60ポンドを払ってでも
月に2-3回開催されるレクチャーを受けたい、
とは思ったものの、
無駄遣いと言えば、無駄遣いです。

レクチャーを聞くのは楽しいのですが、
昨日はちょっと変わった人が
コメンテーターに入っていて、
かなりの時間が無関係なことに
費やされていたこともあり、
結局、メンバーになるのは止めました。

どんな感じだったのかと言いますと、
ゴッサートの「三王礼拝」という絵についての
解説だったのですが、
講師もコメンテーターも専門家(学芸員)なのに、
講師が「これは、こういうことを意図しています」
などと説明すると、コメンテーターの女性が、
「でも、私はこう思うわ」と持論を披露するのです。

その持論に何かしらの根拠があれば良いのですが、
(歴史書に書いてあるとか、手記が残っているとか)
そういったものはなく、
講師の言うことを ひたすら否定し続けるのです。

「この人、この講師に何か恨みでもあるのかしら?」
とすら思ったくらい、
講師が話す → 持論を展開する というパターンが続き、
結局、レクチャーが終わる時間までに
質疑応答をすることができず、
10分ほど延長されました。

でも、延長されてからも
似たようなことが続くのです。

質問は受講者がチャットに書くので、
全員が読むことができるのですが、
司会者が2つ目の質問に移ろうとしたとき、
その人が「ちょっと待って!」と遮ったのです。

「私、この質問に答えたいわ」と言って、
司会者の返事も聞かずに質問を読み上げ、
それに対して延々と答え始めたのです。

おかげで、10分延長したにもかかわらず、
答えてもらえた質問は2つだけ、
しかもそのうちの1つはその人が選んだ質問で、
あまり絵画とは関係ない、
どちらかというと宗教寄りな質問でした。

念のため、レクチャーの後に
「もしかしたら、あの人の説も正しいのかもしれない」と思って
彼女が講師に同意していなかった点について、
一般的にはどう考えられているのかネットで調べてみたら、
やっぱり講師の言う通りのようでした。

1時間10分のレクチャーだったけれど、
30分は無駄だったな・・・と思い至ったとき、
こうやって「時間の無駄だった」とストレスに感じるくらいなら
60ポンドで美術書を買って読んだほうが良い、
という結論に至ったのです。

こちらの写真に小さく映っているのが
講師の先生です。

pa1.PNG

講師の先生も忍耐強いと言いますか、
最後のほうは何を言われても流していました。

でも、説明したかったことを
全部説明しきれなかったようで、
最後のほうは「申し訳ない」と謝っていました。

私も、せっかくなので話を全部聞きたかったのに、
とても残念でした。

そういえば、上に貼った絵を見て、
ひとつ、コメンテーターの理不尽な(?)
持論を思い出しました。

講師が「俯き加減のマリアの頭上から
右上の天使に向かってラインを形成している構図で、
それによって自然と目線が中央のマリアに向かいます」
と説明した時のことです。

その人は、間髪入れずに口を挟みました。

「え? 私はマリアの頭上の星に向かっている構図だと思ったわ」

絵に線を引いてみましたが、
先生は紫色のラインがあると話し、
その人は、紫のラインではなく、
赤いラインだと主張するのです。

pa3.jpg

でも、何の線も書かれていない絵を見ると、
素人の私から見ても、
きれいな左右対称の配置になっていますから、
赤線はあり得ないと思います。

左右対称というのは、こんな感じです。

g.jpg

この見えないラインによって、
ラインがクロスする場所、
つまりマリアの顔に目線が誘導されるのです。

しかも、よくよく見ると、
マリアの頭から真っすぐ引いた線は
星の中央を貫いているわけではなく
少し右側にずれていますし、
やっぱり赤線はないと思います。

やっぱり、メンバーにならなくて
正解だったかもしれない。

今、改めてそう思ってしまいました(苦笑)