優しさなのか、弱さなのか

ここ数日、実家のソファ事件で騒いでいますが、
それと同時進行で、
これまた頭を悩ますような出来事が起きています。

と言いつつも、
こんなことで頭を悩ませるのは
私だけかもしれませんが・・・・

実は、先週 実家に帰った時、
お隣さんと立ち話をしました。

隣人は気の良いゲイカップルで、
なんでも週末にSさんの従姉妹家族が来て、
私の家に泊まるのだそうです。

AirBB経由で2泊の予約が入っていたのですが、
それがSさんの従姉妹なのだそうです。

少し考えた私は、
きっと私の留守中に
泊まり客が迷惑をかけることもあるだろうし、
お隣さんのよしみもあると思って、
2泊分を無料で泊めてあげることにしたのです。

お隣さんは最初こそ遠慮していましたが、
250ポンド近く(約4.5万円)も浮くことになるので、
喜んでいました。

そして、そのことを、
ソファの件でアドバイスをくれた友達に話したら、
しばしの沈黙の後、こう言われました。

「・・・・あなた、
これがビジネスだってこと、分かってる?」

「えっと、今のところ
お世話になってはいないけど、
将来的にお世話になるかもしれないし・・・」

などと、しどろもどろになる私に
友達はこう言いました。

「あなたは Too nice(人が良すぎ)です!

それはあなたの良いところでもあるけれど、
これがビジネスであるという意識に欠けているわ。

確かに、従姉妹が泊まりに来ると聞いて
何もしないのも印象が悪いけど、
せめて半額とか、3割引きなら分かるけど、
無料にするなんて、
Unbelievable(信じられない)だわ」

彼女は、さらに言葉を続けます。

「コロナのせいで
3か月くらい全く収入がなかったんでしょ?」

「無料で泊めるということは、
クリーニング代とかは自腹だったってことでしょう?」

「お金に余裕があって趣味で買った家ではないのだし、
実際に有料で他人に貸し出している『商品』なのだから
それ相応の値段をもらうのは当然でしょう?」

・・・などと言われて、
「なるほどなぁ」と思って反省したことが、
少し前にあったのです。

そして、その時にこう思ったのです。

「あのとき、私は無料にすると言ったけれど、
半額にします、って言うことはできたかしら?
なんで無料にするって言ったんだろう?」

あの時の自分の心理を、
もう一度よく思い起こしてみたのです。

そして、気づきました。

その時に、「『半額で』と言ったら、
なんだかガメツイ人間に思われそう」
と思ったことに・・・・

気づかないうちに、
ガメツイ人間だと思われることが
『悪いこと』、『恥ずべき事』と思っている自分がいて、
そう思われないようにするべく、
無意識のうちに(考えもせずに)
『無料で』と言ったのだということに気づきました。

友達が言うことは、至極尤もです。

余っているお金を使って現金で買ったならともかく、
ローン返済の一部として収入を得ているなら、
人が何と思おうと、罪悪感を感じようと、
正当な『商品』を提供している限りは、
利益を追求するべきなのです。

友達は「たとえば親友とか、
すごくお世話になっている人ならともかく、
隣に住んでいるというだけで、
それほど深くお互いを知っているわけでもない人であれば、
割り引いたり、半額にしてあげる程度でも、
十分な厚意である」とも言っていました。

そして、さらに気づいたのです。

半額でも料金をもらうことは、
第三者から見ると『当然』のことであって、
それに対して「なんだか申し訳ない」と思って
罪悪感みたいな気持ちを感じるのは、
自分の心だけであることに・・・

その自分の心の声に負けて、
「無料で」と言ってしまったのです。

自分の主義主張や
曲げらない信念みたいなものではなく、
単に、自分が良い気分になりたいためとか、
人に良く思われるため、
などという感情論でしかありません。

趣味でやっていることなら、
感情に流されても良いかもしれませんが、
ビジネスでやっている以上、
それではいけないんだ、ということを
友達は教えてくれたのです。

そして、それに気づいた時に、
自分にできるかどうか分かりませんが、
強くなろう、と思いました。

結局のところ、
「2泊分プレゼントする」というのは
一見、『優しさ』に思えるかもしれませんが、
私の場合は『弱さ』から来ていたのです。

強くならなきゃ・・・と友達と話して、
改めて思ったのです。

さて、ここまでお話ししたうえで、
今、2つの問題があります。
(前置きが長くて、すみません)


昨日、飼い犬がケガをしたからと言って
当日キャンセルになったお客さんがいました。

咄嗟に「気の毒だな」と思った私は、
後日、無料で泊まらせてあげようと思ったのです。

そして、もう1つの問題が、
22日から1泊宿泊する予定の人から
キャンセル希望のメッセージが来たのです。

すでにキャンセル料がかかる時期で、
あと数日しかないので、
キャンセルされたとしても、
他の予約が入るかどうか分かりません。

その人からのメッセージには、
こう書かれていました。

「自閉症の息子が病気になったから、行けません。
キャンセル料を無料にしてもらえませんか」

これも、見た時にこう思いました。

「病気かぁ、大変だなぁ。
仕方ないから、キャンセル料を無料にするか・・・」

・・・そして、ふと気づいたのです。

これって、もしかして
隣人の従姉妹の二の舞になっている??

どちらのお客さんにも、
まだ返事を出していないのですが、
友達に言われた言葉が心に蘇りました。

「あなたは、ビジネスでやっているのよ!」

犬のケガも、子供の病気も、
本当のことだとは思いますが、
もしかしたらキャンセル料を払わないための
方便かもしれません。

そして、この国では
人を利用することを当然と思う人が多く、
何でもかんでも馬鹿正直に信じて、
何度も痛い目を見てきたり、
利用されそうになってきました ↓

『この国』と一般化することは無謀かもしれませんが、
「利用できるものは、とことん利用する」と思う人が
日本に比べてずっと多いことも事実なので、
キャンセル料を払わないで済むために
適当なことを言っている可能性も否定しきれません。

そう思うと、ここは心を鬼にして、
「キャンセル料をもらいます」と返信すべき?

考えれば考えるほど、
結論が出ません。

そこで、頼りっぱなしで申し訳ないと思いつつ、
ソファのことでお世話になった友達に電話して
意見を聞いてみました。

思っていた通り、
犬のケガでキャンセルした人のことは、
「次回無料なんて、とんでもない!
あなた、何を考えてるの?」と呆れられました。

息子が病気でキャンセルの人については、
「お客さん本人にしてみれば気の毒だけど、
ルールに従って、淡々と対応すればいいのよ」
と言われました。

「でも・・・」と追いすがる私に、
友達はこう言いました。

「だいたい、あなたは相手の都合を考えすぎなのよ。
他の人たちは、自分のことしか考えてないものよ。

だから、ソファを壊しても『壊した』とは言わないし、
キャンセル料も払いたくないと思ったら
それらしい言い訳を平然とでっちあげるわよ?

あなたは、自分が病気で旅行に行けなくなったら、
『自分の健康管理が悪かったから』と思って、
自腹でホテル代を払う人だと思うけれど、
そういう人は少数派だと思うわ。

それに、あなたも言っていたけど、
2泊分を無料にしてあげた隣人の従姉妹は、
チェックインする前に鍵のありかを聞いて来ただけで
その後、本人からも隣人からも
『ありがとう』の一言もなかったんでしょ?

たいがい、世の中の人ってそんなものよ」

耳が痛いなぁ・・・
と思いながら聞いていました。

そして、それに対して
何の反論もできませんでした。

良い人だと思った隣人でさえ、
『ありがとう』の一言もありませんでした。

それが、何の関係もない人、
(キャンセルしてきたお客さん)だったら、
私が厚意を向けても「ラッキー!」とは思うでしょうが、
それ以上、何の気持ちも感じないでしょう。

ただ、自分が「人に良いことをした」という
自己満足を感じるだけ。

そして、得られるはずだった収入を失うことになります。

数千円程度の収入ならまだしも、
一度のキャンセルで『万』単位で
収入が減ることになるわけで・・・

そう思うと、心を鬼にして
キャンセル料をもらうべきだと思うのですが、
「でも、本当に病気だったら・・・」と思うと、
お客さんが気の毒でなりません。

そして、そのことを友達に言ったら、
こう言われました。

「病気でのキャンセルが心配なら、
予め旅行保険にでも入っていればいいのよ。

私もあなたと似たようなところがあるから分かるけど、
あなたなら、旅行前には保険に入るでしょう?

保険料という追加料金を払って備える、
ということをしなかった本人の責任よ」

これを聞いて、少し罪悪感が減りました。

確かに、私は年間契約で旅行保険に入っていて、
(払わなくてもいいお金を払って)
万が一に備えています。

そのお金をケチったのは(保険に入らなかったのは)
本人が選択したことで、
それに対する責任まで私が負う義務も義理もありません。

では、どういったときに厚意を示して
キャンセル料を免じるのか?ということを考えると、
明確な線引きが出来ません。

線引きができないのであれば、
よほどの事情がない限りは、
自分が定めたルール(キャンセルポリシー)に従って、
粛々と作業のように進めるべきなのかもしれません。

あと一晩くらいじっくり考えて、
どう答えるか決めるつもりですが、
このときばかりは友達が言っていた
自分のことしか考えてない』人になりたい
と思ってしまいました。

だって、そうであったら
こんな葛藤を感じることも
罪悪感を感じることもないと思うので・・・

生きていくのって、難しい。

そんな風に思ってしまうのは、
ぐちゃぐちゃと『良い人でありたい』とか
考えてしまうからなのかもしれません。

でも、私としては『良い人間』を目指しているつもりですが、
自分の心が無意識のうちに感じている
単に『断りずらい』という感情とか
『頼まれたことを叶えなくちゃと思ってしまう』とか
そういう考え方の癖のようなものかもしれません。

強くなるべき時なのかもしれません。

自分を変えるときなのかもしれません。

もう一晩だけ、考えてみます。

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posted by イチイ at 10:11Comment(16)考えたこと