数日前からニュースになっていますが、
ようやくコロナウイルスのワクチン接種が
始まるそうです。
世界で最初にワクチンの認可が
イギリスで下りたのですが、
その翌日にロシアが競うようにして
ワクチン「接種」を開始したようです。
でも、スプートニクvというロシアのワクチンは、
Peer Review (第三者の同等の技術を持つ機関による監査)
を受けていないそうです。
「認可」はイギリスに負けたけれど、
「接種」は世界最初になるために、
今度の月曜から接種を開始すると発表した
イギリスを出し抜くために
ロシアが今日から摂取を開始したようです。
なんとも苦い気持ちになりますが、
とりあえず人の命と安全性は二の次なのか・・・
と思いました。
イギリスで認可が下りたのはファイザー製薬が
ベルギーにある工場で作ったもので、
今日、イギリスに運ばれてきたそうです。
しかし、マイナス70度で保管しないとダメで、
しかも21日間隔で2回接種が必要なため、
接種にあたっての問題もあります。
まず、マイナス70度の冷蔵庫があるのは
大きな病院くらいなので、
摂取できる場所が限られてしまうことです。
また、私の個人的な感想ですが、
ズボラな人が多いイギリスなので、
21日間隔で・・・というのも、
個人の都合で18日にしたり30日にしたりして、
せっかく政府が用意したワクチンを
無駄にしてしまう人がいそうな気がします。
ワクチンの安全性については、
誰もが心配していることですが・・・
政府は「安全だ」とは言っておらず、
「認可を受けた」といった表現をして、
責任を認可機関に振っています。
先日、ワクチンを買うために
国家公務員の給与を凍結することを書きましたが、
そこまでして工面したお金で買ったワクチンなのだから、
きちんと効くのはもちろんのこと、
副作用もないことを願います。
とはいえ、コロナ対策については
評判の悪イギリス政府が言うことなので、
正直なところ、あまりワクチンを受ける気になれません。
先日、イギリスの Track and Trace システムが
48億円もかけたのに失敗だったことと、
スペイン人コンサルタントに
法外な金額を払ったことは書きましたが、
そのほかにも2つほど
政府が大金をつぎ込んで失敗に終わったことがあるのです。
まず1つめは、政府の肝いりで
数か月前に「Mass testing」をしたのですが、
その結果が散々たるものだったのです。
大型スーパーの駐車場などに仮設テントを作って、
そこで大勢の人に対して
コロナウイルスのテストをしたのですが、
このテストの結果と実際に治療を受けた人達の
データを照合した結果、
なんと陰性と診断されたうち3分の1が
実際には陽性だったことが分かったのです。
さらに先日、感染のひどいリバプールで、
大勢の人に簡易検査をしたのですが、
その検査で陰性と判断された人のうち
なんと50%が、実は陽性だったそうです。
いくら「簡易」テストとはいえ、
どうしてここまで検査結果が悪いのか、
理解に苦しみます。
50%の確率なんて、
検査を受ける意味すらないと思います。
これについて政府の人たちは
こんなふうに言い訳していました。
「Mass testing はコロナウイルスが陰性である、
ということをテストするものではなく、
陽性者を探し出すためのものだ」
なんですか、それ?と言いたくなりました。
陽性者はそのうち症状が出るはずだから、
検査しなくても分かりますよね?
症状が出ていない陽性者が分かる、
ということなのでしょうが、
それって、それほど大金と時間をかけてまで
調べるべきことなのでしょうか。
他にも優先すべきことは
沢山あると思うのですが・・・
しかも、今、イギリスの大学では
この「簡易検査」が行われていて
この結果で陰性だった生徒たちは自宅に帰っていい、
とされています。
でも、このテストで陰性と判断されたうちの
約半数が陽性である可能性があるような
質の悪い検査をすることに、
何の意味があるのでしょうか?
意味があるどころか、逆効果な気がします。
陰性と言われて安心した50%の陽性者が
あちこち「自分は陰性だから」と言って
自重もせずに出かけたら
今以上にウイルスをまき散らすことになります。
政府はお金をかけてはいますが、
やること、なすことが中途半端と言いますか
場当たり的と言いますが、
意味がないと言いますが、
やるだけ無駄と言いますか、
急ぎ過ぎて実が伴っていないと言いますか、
むしろテストなんて逆効果と言いますか・・・・
もう何と言ったらよいか分かりません。
そんなイギリス政府が推奨するワクチン、
何を根拠に信用したら良いのでしょうか?
しかも、政府は恐ろしいことに
「ワクチン接種は義務ではない」とも言っています。
つまり、最終的には自己責任ということです。
何事も自己責任なのは理解できますが、
そんなことを言われても、
私たちに受けるべきか否かを判断するために
必要な情報を開示してもらわないと判断できません。
とはいえ、オフィスで働きだすためには、
受けりよりほか選択肢がないことも事実なので、
こればかりは覚悟のうえで接種するよりほか、
道はないのかもしれません。
こんなご時世なのに、
イギリスでは鳥インフルエンザが流行りだしました。
Brexit、コロナウイルス、鳥インフルエンザ、
イギリス政府には同情を禁じえませんが、
そこは政治のプロとして頑張ってほしいところです。
この記事へのコメント
たま
医療従事者を優先しますが副作用で倒れたら意味ないですね。
どこまで効果あるか疑問ですね。
ミルモ
副作用も有るだろうしね、実際コロナに効くのかもはっきりしてないでしょう?自己責任でやれとか無責任ですね。何か起こった時は、国も病院も責任無しってことね。
ロシアとか中国とか、ワクチンで死者も出てるしね。良く考えてからしないと。コロナの検査もいい加減ですね、よその国と競ってやる事でもないのにね。まだまだ感染者も増えてるし、イチイさんも用心して気を付けてくださいね。・・・またね。
イチイ
私も医療従事者を優先するとのことでしたが、万が一にも彼らが倒れたらどうなろうんだろう?と思いました。ワクチン接種開始から2日目になりましたが、昨日は何の問題もなく接種しているようです。テレビでも接種した人が「みんな受けるべき」などという報道ばかりしていて、なんだか恣意的なものを感じてしまいました。考えすぎかもしれませんが・・・
イチイ
イギリス政府の場当たり的な対策を目の当たりにしてきたので、きっとこのワクチンも目先のことだけを考えて(『今』の経済を回復するために、今ビジネス活動できるようにすることを優先。仮に将来副作用が出てもそのときに対応すればいい、という考え)いるようにしか思えません。今日、製造方法の違うもう1つのワクチンも認可されました。会社への通勤が始まることになったら「受けない」という選択肢はないのかもしれませんが、できるだけ受けるのは避けたいところです。
ペンギン
コロナの検査がそんなにいい加減では本当にする事に意味があるのかわかりませんね。
でもワクチンが徐々に力を発揮して少しずつでもコロナが減っていくと良いですね。アメリカも相変わらずトランプ大統領は選挙の勝ち負けのことばかり気にして後はどうでも良いという感じですね。
少しでも多くの人がコロナにかからず、元の生活が一刻も早く歩めると良いですね。
イチイ
イギリスも、今はコロナウイルスよりも Brexit 対策が優先のようです。トランプさんみたいな私利ではないだけ良い気もしますが、でも、実は揉めている原因というのが、ボリスさんが10月にサインした暫定合意内容について、この期に及んで幾つかの項目について翻った内容をEUに認めさせようとして拗れているそうです。ここでもまた、ボリスさんの場当たり的な対応が明らかになって呆れています。お互い、国のトップがしっかりしてくれないと困りますよね。