仕事は楽しいもの

今日のブログは、先週金曜の出来事について
書いてみようと思います。

今週月曜に、蕁麻疹を治すための
飲み薬を処方してもらうまで、
絶え間なく続く痒みのおかげで物事に集中できず、
私の気持ちをきちんと伝えられる表現ができるか自信がなくて、
書くのが遅くなってしまいました。

先日、車のフロントグラスが、
誰かに割られてしまったことを書きました ↓

その後、保険会社に電話をしたら、
自動音声で、こんな案内が流れてきました。

「フロントグラスの修理については、
XXXX サイトから申し込んでください」

アナウンスされたURLを見てみると、
なんと、そこは保険会社のサイトではなく、
車のガラス修理専門業者のサイトでした。

そのサイトに、車の登録番号や、
保険の証券番号を入力したら、
すぐに、修理日時を指定する画面になりました。

いつ、どこで、どんなふうに壊れたか?
などという詳細を一切入力することなく、
修理日時を決めることができたのです。

あまりの手軽さに、
拍子抜けしたくらいです。

そして、先週金曜日の午後3時から8時までの間に
修理に来てくれることになったので、
2時くらいから家で待っていたら、
3時10分前に「もうすぐ着きます」という
メッセージが携帯に入り、
ほぼ3時ちょうどに業者がやってきました。

Autoglass という大手の会社で、
S さんと Mさんの2人組でした。

「ハロー!」と大きな声で笑顔を向けてきたのが、
小柄なSさんです。

もう一人のMさんは、
背の高い中国系の男性でした。

私が車を停めていた場所には、
修理用のバンを横付けできなかったので、
車を移動することになりました。

でも、縦列駐車に苦労している私を見て、
Sさんが「僕が駐車しようか?」と言ってくれて、
こともなげに、車をバンに横付けしてくれました。

「修理が終わるまで、家で待っていても良いよ」
と言ってくれたのですが、
なんとなくケガをした子供を放置するような、
そんな後ろめたさを感じたので、
作業を見せてもらうことにしました。

どうやら、私の車は以前にも
フロントグラスを取り換えたことがあるようで、
そのときに使った車用の糊がベットリついているそうで、
Sさんはフロントグラスを外すのに苦労していました。

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Sさんが試行錯誤している横で、
Mさんは、慣れた手つきで新品のフロントガラスを出してきて、
窓の端に糊を塗っていました。

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Sさんはフロントグラスを一人では外せないと判断し、
Mさんに声を掛けて、
2人がかりで取り外しにかかったのですが、
このときのやりとりが、
まるで漫才のようなのです。

お互い冗談を言いながら、
二人で、あれこれ試行錯誤しています。

外れる様子がまったく見えないフロントガラスで、
きっと予定よりも大分時間がかかったでしょうに、
悪態をつくこともなく、
溜息をつくこともなく、
嫌な顔ひとつせず、
2人して笑いながら作業しているのです。

私は、この様子を見た時に、
なんだか目からウロコが落ちたような気がしました。

仕事は大変で当然。

楽な仕事なんかない。

私の根底にある、そんな考えとは、
まったく逆の様子に驚いたのです。

重たいフロントグラスを持ち運びしたり、
人様の車を傷つけないように気を使ったり、
決して楽な仕事ではないと思います。

でも、作業の途中で、
Sさんが使っていたワイヤーが外れてしまって、
最初から やり直さなくてはならなくなったときも、
「あーあ、これもダメだねぇ」などと言いながら、
「どうしようかなぁ」などと言いながら
楽しそうに、嫌な顔ひとつせずに、
また最初から作業しているのです。

MさんはMさんで、
「Fly me to the moon」を小声で歌いながら
まるでスキップでもしそうな様子で、
軽やかなフットワークで Sさんをサポートしています。

あまりに意外な作業風景を目にしながら、
何気なく、こう聞いてみました。

「1日に、何件くらい作業するのですか?」

「うーん、12件くらいかなぁ」とSさんが言うと
「9件くらいじゃない?」とMさんが答えます。

それに対して、Sさんは嫌な顔もせず
「そうだね、天気にもよるし、そのくらいかなぁ」と
気にも留めていません。

この会話に、私はとても驚いたのです。

私の会社はプライドの高い人が多いのか、
それとも責任回避をしたい人が多いのか、
ミスとか、意見の不一致があると、
それが些細な勘違い程度のもので、
大したことではなかったとしても、
絶対に「自分が悪い」とは認めない人ばかりなのです。

仮に、この会話が
私の同僚の間で交わされたものだったら
「12件」と言った人は、
「9件」と言った相手をコテンパンに言い負かすか、
すごく嫌な顔をして、不機嫌になると思います。

それとは全く違う方向に会話が流れていったことに
驚いたのです。

たぶん、無意識のうちに、
彼らが私の同僚と同じような反応をするものと
思っていたのだと思います。

そして、思わず驚いてしまった自分に気づき、
ちょっとショックを受けました。

人前で平然と不機嫌になったり、
相手を言い負かすのが当然の反応だということを、
何の抵抗もなく受け入れている自分に
気づいてしまったからです。

そして、次の瞬間、こう思ったのです。

いがみ合ったり、
自慢しあったり、
相手を蹴落とすようなことを言ったり、
そんなことが当然の職場って、どうなんだろう?

そして、それに続いて、
「もし自分が、そんな気の強い、
嫌な人間になってしまったらイヤだな・・・」と咄嗟に思い、
さらに、ショックを受けました。

なぜなら、咄嗟に「そんな嫌な人間になったら」
という気持ちが浮かんだということは、
私は「自分の同僚は嫌な人ばかり」だと思っている、
ということになりますよね・・・?

意識したことはありませんでしたが、
毎日、なんとなく「なんかおかしいなぁ」と思いつつも、
ただ流されて、
大量の仕事をこなすのに精一杯で、
自分の周りの人たち言動について、
深く顧みることがありませんでした。

でも、このとき、
色んな同僚の顔が頭に浮かんできました。

「今、すぐに新品のノートを頂戴!」と言って私の机に来て、
私が電話中で文具を取りに行けないと分かると、
とたんに不機嫌になって、
フン!と言って席に戻ってしまったり、
私の横で、イライラした態度で
これみよがしに私を威圧するLさん。

「ちょっと申し訳ないんだけど・・」と口では言いながら、
自分が経営しているアパートの契約書の製本を
頻繁に頼んでくる、Cさん。

いつも、「急ぎじゃないから、いつでもいいよ」
と言いながら領収書を渡すくせに、
その日のうちに処理しないと
次の日から、矢のような催促をするTさん。

僕はシングルファーザーだから と言って、
会社に殆ど来ない、Aさん。

何かにカチンとくると、
そのことを大声で怒鳴り散らす Mさん。

その他にも、沢山・・・

実は、先週のはじめにも、
似たようなことを考える機会があって、
(それは、また日を改めてお話しさせていただきますね)
もしかしたら、私の感覚がマヒしているだけで、
私の職場環境は、かなり悪いのかもしれない、
と思い始めました。

楽しそうに働いている2人を見ながら、
私はこう聞いてみました。

「雨が降ったりすることもあるでしょうし、
重たいうえに壊れ物のガラスを扱って、
お仕事は大変でしょうに、
どうして、そんなに楽しそうなんですか?」

すると、Sさんはこう答えました。

「だって、いずれにせよ仕事しなくちゃならないなら、
楽しいほうがいいじゃない?
それに、僕と Mは仲が良いからね!」

その言葉を聞いたMさんは
「えー、そんな仲良くなんてないよー」と
笑いながら、Sさんをからかっていました。

「ほーら、Mは照れてるんだよ。
僕のことが大好きだからね!」

楽しそうに働いている SさんとMさんを見ながら、
仕事に対する考え方の違いと、
同僚との信頼関係に、愕然としました。

そして、別に車のガラス修理屋さんに
なりたいわけではないのですが、
私も、彼らと一緒に働きたいな、
と思ってしまいました。

今まで考えたことがありませんでしたが、
いろいろと過去のことを振り返ると、
私の職場には、問題のある人が多いような気がします。

できるだけ人の良いところを見ようと思って、
意地悪されても、職場で無視されても、
仕事を押し付けられても、
頑張って こなしてきましたが・・・

もしかしたら、そんな無理が積み重なって、
蕁麻疹となって出てきたのかもしれません。

SさんとMさんのような働き方ができるとは思いませんが、
少しでも楽しく働けるような職場を見つけたい、
と思うようになりました。

精神的な健康のためにも、
前向きに転職を考えてみようと思います。



この記事へのコメント

  • ミルモ

    イチイさん(^o^)

    イギリスではこんな修理をその場に来て外でやるのね(・・;)驚いてしまったよ。雨でもやるんだろうか?何かすごいね。組んで仕事するのは人間関係が一番大変だものね、お互いが分かってるから、笑顔で仕事も出来るんでしょうね。イチイさんもそんな職場で働けたらいいね。
    2019年10月19日 12:10
  • Sara

    お疲れ様です。
    うちも決して雰囲気が良い会社とは言えませんが、こんなに酷くは無いですね。
    何だか誰も彼もエゴむき出しで、自分のことしか考えていない感じです。
    最終的には高いお給料を目指すのが職場だと思うので、自分が認められたい、楽をして成果を出したいと思うのは何処でも同じとは思いますが、こんなにあからさまではないし、こんな態度が結果として高いお給料に結びついて行くとも思えないですよね。
    これが普通では無いですよね。
    どこかもう少し気持ち良く働けるところが見つかると良いですね。
    2019年10月19日 14:42
  • さくら

    そう考えると車のガラスを破損されたのも、必要悪なことだったのかもしれません。いちいさんが転職について本気で取り組むために。
    体の蕁麻疹もいちいさんの心の叫びなんだと思います。もう、いっぱいいっぱいなんだと。
    私は宗教熱心でもありませんし、サイキックでもありませんがそういう一連の出来事は何かのサインだと受け止めます。
    そんな思いやりのかけらもない人たちと働くのはやめませんか。きっといちいさんならもっと楽しく働ける職場が見つかるはずです。
    健康は大切な財産です。どうか無理なさらずに、いちいさんにとって最適な職場が見つかることを願ってます。
    2019年10月20日 05:24
  • イチイ

    ミルモさん、コメントをありがとうございます。
    フロントグラスが割れているので運転ができないから、てっきりレッカーされるのかと思いましたが、その場で取り換えてくれました。やはり日本よりは治安が悪いようで、こういうことは「よくあること」みたいです。私も笑顔で仕事ができる環境に身を置きたいと思いました。
    2019年10月20日 06:37
  • イチイ

    Saraさん、コメントをありがとうございます。
    他の人の話を聞いていると、私の部署は営業系なので、他の部署に比べて強引な人が多いみたいです。決して高い給料をもらっているわけではありませんが、でも、多少給料が減ったとしてももう少し精神的に負担の少ない仕事がしたいです。生きていくのって、大変ですね・・・
    2019年10月20日 06:47
  • イチイ

    さくらさん、ありがとうございます。
    そうですね。ガラスが割られているのを見た時にはショックでしたし、この時期に100ポンドもの出費は大変でしたが、こういった働き方もあるんだということを知る、良いキッカケになったと思います。これまで、なんとなく考えないように避けてきましたが、前向きに転職を検討しようと思います。年齢的にも一筋縄ではいかないと思いますが、がんばってみます。
    2019年10月20日 07:53