無料であることのありがたさ サー・ジョン・エヴァレット・ミレイ

最近、仕事が忙しくて、
朝から夕方まで働き通しで、
お昼休みをとることすらできませんでした。

と言いますのも、同僚が2人、
急に辞めてしまったのです。

3人分の仕事が一気に降りかかってきたわけで、
どう考えても1人では対応しきれません。

上司も短期派遣や新しい人を採用しようとしてくれていますが、
クリスマス休暇前ということもあり、
なかなか事が進みません。

今日は、あまりにストレスが溜まって、
頭がおかしくなりそうだったので、
無理やり昼休みをとって、
ギルドホール・アートギャラリーへ行ってきました。

でも、残念なことに、
私が好きな絵が幾つか消えていました。

消えていたと言いますか、
ロンドン市はお金持ちなので、
展示しきれないくらい沢山の絵を持っているのです。

そのため、展示している絵画を
頻繁に入れ替えているのです。

前にご紹介した「Sun and Moon Flower」も、
数ヶ月前に、他の絵に架け替えられました ↓

そして「他の気に入った絵も無くなっている・・・」と
残念な気持ちでギャラリーを歩いていたら、
私の好きな絵のうち2枚が、
なんと有料の特別展に回されていました。

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この女の子の絵なのですが、
サー・ジョン・エヴァレット・ミレイという、
前ラファエラ派の画家が描いた油絵です。

名前は似ていますが、「落穂拾い」で有名な、
フランスのバルビゾン派のミレーとは別人です。

長女のエフィを描いた絵なのですが、
娘が5歳になって、
教会でのお説教を初めて聞いた時の様子と、
二度目のお説教を聞いた時の様子です。

この絵が描かれた背景には
いろいろと面白い逸話が残っていますが、
展示されていたときに撮った写真を探してみますので、
またの機会にお話させてください。

それに、エフィの両親であるミレイと妻は、
いわゆる略奪婚と言いますか・・・

すでに夫のいたエフィの母は
ミレイと恋に落ちてしまい、
不仲だった夫に対して婚姻無効の訴訟を起こし、
ミレイと再婚したのです。

しかも、エフィの母であるユーフィミアの夫は、
当時マスコミに攻撃されていた前ラファエラ派を守るべく
抗弁してくれていた評論家のラスキンでした。

いわば、ミレイは恩人の妻と結婚したのです。

その後、2人は8人の子供をもうけますが、
ミレイは大きな代償を払うことになりました。

それまでのミレイは
ヴィクトリア女王に寵愛されていたのですが、
ユーフィミアの行為に立腹した女王は、
彼に肖像画を依頼するのをやめたのです。

また、女王はミレイの妻との謁見も頑なに拒否し、
それは長年続いていたそうです。

そして、ミレイが亡くなる数日前に、
ヴィクトリア女王がミレイに
「何か私にできることはあるか?」と尋ねたときに、
ミレイは妻と謁見してくれるように願ったそうです。

その願いを聞き入れたヴィクトリア女王は
ミレイが亡くなる直前に、
ようやく妻であるユーフィミアと謁見したそうです。

ロマンチックな絵画を数多く描いたミレイらしい
ドラマチックな恋愛だったのでしょうね。


話が逸れましたが、
そんなミレイが描いた2枚の絵画が、
以前は無料で見る事ができたのに、
「ヴィクトリア朝時代の子供たち」というタイトルの
4月まで開催されている有料の特別展示に
回されてしまったのです。

無料で鑑賞できるのが当然だと思っていましたが、
こうして有料になって、
普段から無料で見せてもらえていることの
ありがたさを改めて思い知りました。

この記事へのコメント

  • こゆきん

    画家にまつわる素敵なお話ありがとうございます(^-^)
    婚姻無効って、最近まで見ていた海外ドラマ(クイーンメアリー)にもよく出てきていた言葉でした。
    キリスト教国家だと、宗教上、離婚は出来ないから、
    結婚の事実を消す婚姻無効が生まれたのかな。
    ヘンリー8世も婚姻無効をしてますよね。
    2018年12月15日 14:58
  • ミルモ

    イチイさん(^o^)/

    お仕事大変そうですね、全部一人は無理だしね(-。-;)時間を作って息抜きもしないと、ストレスがたまって体調を壊さないようにね。素敵な絵を見て気分転換しましょうね(*^-^*)ちゃんとご飯も食べないと駄目ですよ。・・・(*^▽^)/★*☆♪またね。
    2018年12月15日 16:55
  • イチイ

    こゆきんさん、ありがとうございます。
    クイーンメアリーの海外ドラマがあるのですね。最近、イギリスの歴史に興味を持つようになったので、見てみたいです。婚姻無効って、なんだか都合が良いなぁ・・・と思いましたが、古くはイタリアでも行われていたそうです。昔はいろいろな縛りがあって、大変だったのでしょうね。
    2018年12月15日 22:39
  • イチイ

    ミルモさん、ありがとうございます。
    週末はゆっくりしています。体調を壊さないよう、気をつけますね。
    2018年12月15日 22:42
  • ミカ

    イチイさん、こんにちは!

    ロンドンの良さは入場料無料の美術館博物館がたくさんあることですね。インフラが充実していて有難いと思います。

    「オフィーリア」のミレイにこんなロマンスが隠されているなんて知りませんでした。
    この時代の絵描きさんたちは男女関係はわりと込み入っておりますね。
    大好きだったテートギャラリーもいまは名前が変わっておりますのね。
    いろいろ知りませんでした。
    またお教えくださいませ。
    2018年12月16日 18:59
  • イチイ

    ミカさん、コメントをありがとうございます。
    そうですね、ミレイは「オフィーリア」で有名ですね。イギリスは絵画が沢山あって、しかもすぐに鑑賞できるので嬉しいです。
    2018年12月17日 06:16