イギリス流 バラの挿し木

今回のブログは、
イギリスでバラの挿し木をする方法なので、
興味のない方は、どうぞ飛ばしてください。


昨年の6月以降、バラの剪定をするたびに、
剪定した枝を挿し木にしていました。

日本では火山国なので、
赤玉土や鹿沼土といった、
水はけが良く、
挿し木に最適な土がありますが、
火山のないイギリスには
赤玉土も鹿沼土もありません。

いろいろと探したり、
試行錯誤しましたが、
挿し木で発根の可能性が高い唯一の土が、
火山灰の一種であるバーミュキュライトでした。

パーライトも試してみましたが、
保水性がなさすぎて、ダメでした。

バーミュキュライトも、そのままではなく、
少しだけ挿し木用の土を混ぜたものが
発根しやすいようです。

しかも、混ぜる土は普通の土(All Purpose Compost)ではなく、
栄養分の少ない、
Cutting Compost(挿し木用土)でないとダメでした。

普通の土は養分がありすぎるせいか、
コケだらけになったり、枝が腐ってしまうのです。

栄養分の少ない挿し木用の土を混ぜるにしても、
土が多いと水を保有しすぎて、
茎が腐ったりして・・・
最適な量が分かるまで、何度も失敗しました。

しかも、気温が低かったり、
雨が多かったりして、
なかなかうまくいきません。

家の中に挿し木した枝を置くスペースがなく、
ビニール製の小さなハウスを買って、
その中で育ててみたりしましたが、
それでもすぐにカビが生えてしまったりして、
なかなか発根してくれないのです。


そんなふうに何十本も、
数えきれないくらい挿し木を試した末に、
どうにか根付いてくれた苗がありました。

イギリスでバラを挿し木にするときは、
こんな風に、透明のプラスチックの底に穴をあけて、
そこに枝を指しておきます。

ちなみに、これはプラスチックのコップです。
日本だったら100円ショップで大量に買えると思うので、
気軽に使えるのではないでしょうか。

透明なので、発根すると白い根が見えます。
しっかりした根が何本か見えてきたら、
9cm直径の鉢に移植します。

IMG_2779_800x600.jpg

植え替えるときの用土も、
発根した状況の用土に少しだけ土を多めに混ぜて、
そこに植えておきます。

バーミュキュライトと混ぜた状態から
普通のバラ用の土に植えてしまうと、
せっかく発根した枝が腐ってしまうことがあるからです。

発根しても、植え替えた時に枯れてしまったものもあり、
結局、生き残った株は14株でした。
下の写真は、去年の10月に撮ったものです。

IMG_2778_800x600+1.jpg


手持ちのバラ、すべてに挿し木を試しましたが、
挿し木で発根しやすい種類と、
そうでない種類があるようです。

フレグラント・デライトと
マーガレット・メリルという、
イギリスで古くからある定番のバラは、
とても丈夫で、発根しやすいようです。

デビット・オースチンのバラは、
ブラザー・カダフェルと
セプタード・アイルが発根しました。

また、イギリスでは6~8月くらいに挿し木をすると
発根しやすいようです。

9cmポットに移したのが、
昨年10月のことでしたが、
今年は何度も雪が降ったので、
こんな小さな苗が育つのかどうか、
とても心配していました。

雪が降る予報の前日に、
ベンチの下に苗を移動させたりしていましたが、
2月に長く寝込んでいたときは
大雪が数日続いていましたが、
バラの苗を避難させることができませんでした。

それでも、枯れることなく、
14本の苗、全部が生き残ってくれました。

あの雪でゼラニウムが枯れてしまったことを思うと、
バラはやはり「木」だけあって、
小さくとも丈夫なのだなぁ・・・と感心しました。


さて、そんなふうに9cmポットで冬越しした、
生まれたてのクローンであるバラたちも、
春が近づいてきたこともあり、
新しい葉っぱを沢山伸ばし始めました。

さすがに、このまま9cmポットだと小さすぎると思い、
通販で15cm直径の細長い鉢を買って、
植え替えることにしたのです。

下の写真の黄緑色や赤色の葉が、
ここ1-2週間で伸び始めた部分です。

IMG_5632_800x600.jpg

バラは根っこを長く伸ばすので、
普通の鉢ではなく、
細長い鉢のほうが向いています。

日本では、バラ用のスリット鉢というものがあるようですが、
イギリスでは、そのようなものは売っていませんでした。

スリット鉢というのは、
バラの長い根が鉢の中で絡まらないよう
工夫されている鉢のようです → スリット鉢


先週末、半分ほど新しい鉢に植え替えたところで、
土がなくなってしまいました。

普通の土(Multi Purpose Compost)ならあったのですが、
バラは水はけがよく、
栄養がたっぷり入っている土が良いので、
普通の土だと水分を保持しすぎて、
バラが枯れたり、元気がなくなる原因になります。

イギリスでは「バラ用土」というものも売っていますが、
真冬にバラの植え替えをしたとき、
昨年この土を使ったバラは、
他のバラに比べて、根の張り具合が今一つでした。

おそらく水持ちが良すぎたために、
(=根を伸ばさずとも、常に水分を吸えるので)
あまり根が伸びなかったのだと思います。


そこで、バラ農家の名門である
デビット・オースチンのサイトを見たら、
「John Innes No 3 という土を使うように」
と書かれていたので、
普通の土よりもお値段が高いのですが、
私も John Innes  No3 を使うようになりました。

というわけで、今朝はホームセンターに行って、
John Innes No3 を買ってきました。

IMG_4154_800x600.jpg



こちらが、植え替えが終わった鉢です。

IMG_5633_800x600.jpg

土の量が少なそうに(鉢の上辺から土までの間が長く)見えますが、
苗が落ち着いて根付いたら、
マルチング(木片を土に被せる)をするため、
その分余裕を持たせています。

先週植え替えた7つは、
さらに葉っぱを伸ばして、
元気に育ってくれています。


いろいろと試行錯誤して、
苦労した結果のバラたちなので、
育ってくれて嬉しい反面、
この増えたバラの鉢、置く場所に困っています。

とりあえずテラスで育てていますが、
このままだとテラスがバラだらけになってしまいそうです。



この記事へのコメント

  • レモンマートル

    こんにちは。
    初めてコメントさせていただきます☆
    挿し木にプラスチックの容器!目からウロコです!
    私もこの春バラと菊の挿し木に挑戦しようとしていたところでしたのでさっそくやってみたいと思います。
    2018年04月17日 18:23
  • イチイ

    レモンマートルさん、はじめまして。コメントをありがとうございます。
    私も、イギリスのサイトで挿し木の仕方を見ていたときに「なるほどなぁ」と思いました。ペットボトルの下の部分を使っている人もいましたが、底が固くて穴が開けずらかったので、普通のプラスチックカップを使っています。根っこの張り具合が見えるので、植え替えのタイミングが分かって便利でした。今年もプラスチックカップでの挿し木に挑戦しようと思います。
    2018年04月18日 04:25