それほど広いわけではないのに、
入り組んだ小道が続いていて、
まる迷路に迷い込んだようでした。
丘の麓から旧市街に向けて、
地図も見ずに歩いてみたのですが、
街角で目にするものすべてが
絵画かポスターのように見えたので、
私が歩きながら目にしたものを
ご紹介していきたいと思います。
海沿いにあるジャン・コクトー美術館の別館から
海沿いの道を少し歩いた後、
小高い丘の上にある旧市街を目指しました。

遠くに見えている塔、
あれが旧市街にある教会の塔らしいので、
そちらを目指ざして、
地図をもたずに歩いて行きました。

小さな町なので迷うことはないだろう、
と思っていましたが、
旧市街に足を踏み入れると、
細くて、先が見えない道が続いていました。

道をたどっていくと、
上に向かって伸びる階段が左手に見えたので、
登ってみることにしました。

階段を登ろうとしたら、
道のわきに金色のゴミ箱が目に留まりました。

マントンの紋章のようで、
左半分は聖ジョージ、
右半分はマントンのシンボルでもあるレモンの木でした。
こういう立派な(?)ゴミ箱を見ると、
たかがゴミ箱ではありますが、
街を誇りに思う気持ちが表れているように思えます。
さて。と一言呟いてから、
階段を登り始めました。

途中まで登って振り返ると、
建物と建物の間に海が見えました。

ヤシの木が南国らしさを添えていますが、
南フランスとはいえ、
冬は10度程度の気温なので、
ヤシは寒さに震えているのかも?
そんなことを思いながら
しばらく海を眺めていたら
あれ?と思いました。
左側の建物にある窓、
よく見ると、本物とニセモノが混じっています。

ぱっと見た時には、
すべてが窓に見えますが、
本物の窓の横にあるのは、雨戸の絵です。
さらに階段を昇っていくと。
2つの教会の前に出ました。

そして、教会前の小さな広場からも、
海を眺めることができます。

残念ながら、
どちらの教会も閉まっていました。
お昼休みなのでしょうか?
1時間後に開くという看板が出ていたので、
また後で戻ってくることにしました。
さて、それまで どうしようかな・・・と思って
ぐるりと周りを見回してみたら、
さらに上に続く道があることに気づきました。

この先に何があるのか分かりませんが、
とりあえず行けるところまで、
丘を登ってみることにしました。
さっきは下から見上げていた
教会のファサードが
自分と同じ目線に見えます。

教会を背にして道を進んで行くと、
道がさらに細くなってきました。
建物と建物の間が狭いので、
あまり日の差さない道もあります。

そんな暗い道でも、後ろを振り向くと、
カラフルな建物の隙間から
さっき見た教会の塔が見えて、
なんだか気持ちが明るくなりました。
さらに、先に進んでいきます。

どんどん道がが細くなってきました。
同じ道なのに、
前を見ているとこんな風に見えて・・・

後ろを振り向くと、
こんな風に見えました。

同じ道でも、景色が違うんですね。
街角には「Casa mia(私の家)」と書かれた
手作りっぽいタイルが飾ってあったり・・・

ハンギングバスケットと調和のとれた
こんな番地の表示があったり・・・

マントンの名物、
レモンのモチーフがあったりと、
それぞれの家が「自分らしさ」を主張しているようで、
飽きもせず、キョロキョロ見ていました。

特に、レモンのモチーフが飾ってある家が、
とても素敵でした。
レモンのタイルの周辺は、
こんな風にツタで覆われています。

自然のままに伸びたツタなのに、
陶器やテラコッタの飾りとマッチしていて、
住人のセンスの良さを感じます。
この左側には玄関扉があり、
クリスマスらしいポインセチアと
リースが飾られていました。

こちらが、この家の全景です。

こんな家に住んでいる人は、
いったいどんな生活を送っているのでしょうか。
そこから、さらに上に続く道を進むと、
右手に、こんな景色が広がってきました。
大分、高いところまできたようです。

そろそろ丘の頂上かな?と思ったら、
なんと、頂上にはお墓がありました。

旧市街の中心、
街の一番高いところに墓地があるのです。
でも、もしかしたらここは
世界で一番見晴らしの良いお墓かもしれません。
というのも、
見てください、この景色!



墓地には、さらに上に続く階段がありました。

辿っていくと、
まだお墓が続いていました。

遠くには、さっき通った教会の塔が見えます。

ほんの10分前には、
海岸から見上げていた塔が、
今は眼下に見えます。
そして、ここが一番高いところのようです。

街で一番見晴らしの良いところにお墓を作るなんて、
ご先祖を大切にする人々なのでしょうか。
資本主義の社会だったら、
お金持ちの人がお屋敷でも建てそうなものなのに・・・
そんなことを思いながら、
お墓を後にしました。
お墓を出ると、
正面に見晴らし台がありました。
さっきは反対側からお墓に入ったので、
見晴らし台の存在に気づかなかったようです。
そこからの景色は遮るものがなく、
まるで絵葉書のようでした。


ここから、また海沿いまで戻ります。
今日は長くなってしまいましたので、
帰り道は、また次回にさせて頂きますね。
この記事へのコメント
ミルモ
階段が凄いね(・・;)登るだけで息が切れそうです。景色も素晴らしいね(*^-^*)こんな所に住んでたら、時間がゆっくり流れそうですね。あ~ぁ行ってみたい(*´∀`)・・・毎日寒波ってばっかり言ってますよ、風邪に気をつけてね。('ー')/~~またね
イチイ
マントンの旧市街は小さくて、まるで箱庭のようでした。こんなところで生まれ育ったら、きっと全然違う人生だったんだろうな・・なんて思いながら、歩いていました。まるでドラマの中に入ったような気分になりますので、いつかヨーロッパの旧市街を散策してみてください。