詩人、作家、劇作家、映画監督、バレエ監督、画家など
いろいろな分野で作品を残したそうです。
でも、その中でも「詩人」と呼ばれることを
好んでいたそうです。
彼が手がけた舞台の小道具やデザイン画、
落書きのようなスクリプトなど、
多くのものが展示されていました。

たとえば、こちらは彼が手がけた舞台のデザイン画です。

衣装についてコメントが入っていて、
コスチュームのデザインもしていたことが分かります。
映画の監督もしていたそうで、
彼が手がけた映画では「美女と野獣」が有名だそうです。
映画のハイライトを短くまとめた
フィルムが上映されていました。

フランス語は分かりませんが、
耽美的でゴシックな雰囲気で、
思わず見入ってしまいました。
美術館は明るくて広々として、
ジャン・コクトーに関連するものが多く展示されています。
ただ、彼の「人となり」が分かるようなものが
あまりなかったのが残念でした。
展示物の説明がフランス語だけなのも、
そう思った理由だと思います。
何箇所か英語での説明がありましたが、
それは、その作品がどんなもので、
いつ作られたのか?といった説明で、
彼が影響を受けた事柄とか、
生い立ちとか、
そういった人物像について
分かるようなものではありませんでした。
分館の方に足を運んでみたら、
当時の有名な女優、サラ・ベルナールの
展示をしていました。
こちらの絵、
見覚えのある方も多いと思いますが、
こちらの女性です。

別館の展示内容は期間ごとに変わるそうですが、
学生の頃に好きだった
アルフォンス・ミュシャのリトグラフなどもあり、
小さいながらも見応えがありました。
実は、学生の頃に
アルフォンス・ミュシャの新しい画集が発売されて、
それが1万3千円もしたのです。
欲しかったのですが、
とても手の出る額ではなかったので、
学校の図書館に買ってもらえないか、聞いてみたのです。
少し時間はかかりましたが、
図書館は、私のリクエストに応えて
画集を買ってくれました。
そして、それを全ページコピーしたものを
ずっと手元に置いていたのです。
コピー代もバカになりませんでしたが、
画集を買うよりはずっと安上がりでしたし、
ペラペラの紙の上に薄い紙をのせて、
ミュシャの背景の飾りなどをトレースしてみたり、
飽きもせず美しい描線を眺めたりしていました。
そんなミュシャの絵で
よくモデルになっていた女性がいたのです。
それが、サラ・ベルナールでした。
これまで知らなかったのですが、
彼女は19世紀に活躍した女優で、
出演したタイトルは150作品以上もある、
一斉を風靡した女優だったそうです。
こちらの展示によると、
彼女が亡くなったときには、
9万人もの人が参列したと書かれており、
その人気のほどがうかがえます。
ジャン・コクトーも
彼女を女優として起用していたため、
コクトー美術館での展示となったようです。
こういった写真を見ると、
古き良きフランスといった風情で、
ノスタルジックなレトロ感があって
とても素敵だな、と思いました。
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