誤診? セカンド・オピニオンの大切さ

今回は、車が壊れて
レッカー車のお世話になった日の翌日のことを書かせてください。

車がレッカーされた様子は、こちらに書いています ↓
http://yewtree.seesaa.net/article/451900684.html

この翌日は、月曜日でした。

幸いなことに、この日は休みをとっていたので
朝はゆっくりすることができました。

あーあ、買って2カ月で廃車かぁ・・・

と思いつつ、
まずは車の保険会社に電話をかけて、
保険の解約手続きをしました。

そして、日系の車買取業者に連絡を入れてみましたが、
やはり「自走不可能な車は買取できない」と言われました。

そして、「廃車にするなら、どうなりますか?」と聞くと
自走不可能だから、車を業者までレッカーする費用として
150ポンド(約2万2千円)かかると言われました。


痛い出費だけど、仕方ないかなぁ・・・

今月、少ないながらもボーナスが出るから、
ボーナスが出たら、廃車にしよう。


そう思ったものの、
気持ちが元気にならない私は、
そのままベッドになだれ込みました。

外は青空が広がっていましたが、
お気に入りのテラスに出る気力もなく、
ベッドの上でうだうだとしていました。

そうこうするうちに、
先日届いていたダイレクトメールを思い出しました。

私がよく行くカムデン・ガーデン・センターからで、
お買い物をして貯まったポイントが
クーポンとして届いていたのです。

初めてカムデン・ガーデン・センターに行ったときのことは
こちらに書いています ↓
http://yewtree.seesaa.net/article/449140069.html


もう、これは気分を元気にするために、
前から欲しくて、でも買うのを控えていた
レディ・エマ・ハミルトン(バラ)を買ってしまえっ!!

ボーナス前という強気も手伝って、
そう思った私は重い腰を上げて、部屋を出ました。


建物の外玄関を出ると、
眩しいくらいのお天気でした。

「これは、帽子が必要だな…」と思った私は
部屋にとって返して、帽子をかぶって外にでました。

すると、ちょうど大家さんが家に戻ってきたところと
鉢合わせました。


大家さんは、いつもの陽気な笑顔でこう言いました。

「やあ! 元気? 車の調子はどう?」

「えーと・・・ 実は、昨日 壊れちゃいまして」

「え!? どうしたの?」

「運転中に急にエンジンが止まって、
『タイミングベルトが壊れてて、修理に600ポンドかかる』
とAAの人が言っていたので、
廃車にしようと思っています」

「ええ? だって、買ったばかりじゃない?」

「そうなんです。
でも、900ポンドで買った車に
修理費600ポンドは出せませんから・・・」

「えー、ちょっと待って!」

と私に言うと、
大家さんは隣の家に向かって、
大声で叫びました。

「おーい!! ちょっと来て!!」

すると、すぐに上半身裸で隣家の改修作業をしていた
Eさんが現れました。


お隣の家は、何カ月もかけて改装しているのです。
「妙に時間がかかるなぁ」と思っていたら、
たまに手伝いの人が加わるくらいで
Eさんが一人で全部改装しているのです。

だから、歯医者さんの予約などで
早退したときなど、
家の前で大家さんとEさんが雑談しているのを
何度か見かけたことがありました。


そして、大家さんが Eさんにこういいました。

大家さん「イチイが買ったばかりの車、
900ポンドで買ったのに
修理費が600ポンドもかかるって言われたんだって」

Eさん「なにが、どう壊れたの?」

私「タイミングベルトが壊れて、
修理に600ポンドかかるって言われました」

Eさん「運転中に壊れたの? それとも停止しているとき?」

私「運転中です」

大家さん「ねぇ、E、どうなの?
600ポンドもかかるの?」

Eさん「運転中にタイミングベルトが切れると、
それにつながっているピストンなんかにも影響して
一緒に壊れることが多いんだよね」

大家さん「えー、そうなの?
やっぱり600ポンドかかるの?」

Eさん「修理するとなると、そのくらいかかるね。
エンジン部分だから、高いんだよ。
でも、スクラップ業者からエンジンを丸ごと買って
取り換えてしまうこともできるよ」

大家さん「そのエンジンって、いくらくらい?」

Eさん「車は、なに?」

私「プジョーの206です」

Eさん「それなら100~200ポンドくらいかな」

私「え!? そのくらいで??」

大家さん「ねぇ、E。車を見てあげてくれない?」

Eさん「いいよ」


そう言うと、Eさんは隣家の裏に行って、
Tシャツを着て、出てきました。

「レッカー車が大きくて、
ここまで入れなかったので
この坂道を登り切ったところに停めています」

そう言いながら、
大家さんとEさんを車のところに案内しました。


Eさんは車のボンネットを開けて、
輪っかになっているパーツ部分を触ったり、
のぞき込んだりしていました。

そして、Eさんは「うーん、オイルかな?」と呟くと
エンジンオイルの量を確認しました。

大家さんが心配そうにのぞき込んでいるのに気付いたEさんは
「オイルはちゃんと入ってるね」と答え、
さらに大家さんに向かって、こう言いました。

「ちょっとエンジンをかけてもらえる?」

大家さんが車に乗り込んでセルを回しましたが
シュルルルという音がするばかり・・・

私は何もできず、
おろおろしながら見守っていました。


すると、Eさんがボンネットから顔をあげて、
私に向かってこう言ったのです。


「タイミングベルトは、切れてないよ」


「えええ!!??」と声をあげて、
目を丸くしている私をよそに、
Eさんは淡々と話を続けました。


「ほら、ここ。
ここなんだけど、セルを回すとちゃんと回るでしょ。
ラバーが焼けたような匂いもしないし」

「そ、そうですね・・・ 回ってました・・・」


そこはかとない脱力感を感じながら、
そう答えている私に向かって、
Eさんは、さらに続けました。


「車によっては、エンジンを挟んだ反対側にも
タイミングベルトがあるんだけど、
どう見ても、このエンジンには1つしかないみたいだし、
このタイミングベルトは、ちゃんと機能してる。

あとは、ここ(と小さな箱を指さして)の中に
もう一つ小さなベルトがあるんだけど、
それが切れている可能性がある。

それが原因だったとしたら、
君はラッキーかもしれない。

そのベルトは30ポンド(約5千円)くらいだし、
ピストンとも連動していないから、
ほかのパーツを破損している可能性は少ないから。

でも、この箱はスパナがないと
開けて見ることができない構造になってるから、
今のところは、なんとも判断できないけど。

明日、スパナをもってくるから、
M(大家さん)に車のカギを預けておいて」


・・・・保険、解約しちゃいました。
しかも、45ポンドもの手数料を払ってまで。

と、相変わらずお金のことばかり考えてしまう私ですが、
もうダメだと思っていた車だったので、
急にそんなことを言われても、ピンと来ません。

またしても思いもよらぬ展開になって
おろおろしている私は、
とりあえずこう言いました。

私「あ、ありがとうございます。
えっと、車のこと、詳しいんですね」

Eさん「ああ、昔は車の修理工をやっていたから」

私「え? そうなんですか?」

大家さん「そうなんだよ。Eは車のこと、詳しいんだよ!
イチイ、こういうときは
必ずセカンド・オピニオンを聞かなくちゃダメだよ」

Eさん「そうだよ。
君みたいな車のことを何も知らない人に適当なことを言って、
誤魔化す輩も多いんだから」

私「そういえば、AAの人はボンネットも開けずに
音だけで判断していました」

Eさん「えー? なんだ、それ・・・
きっとAAの人は君を見て
『何も分からないだろう』と判断して、
日曜の遅い時間の仕事は面倒だから、
サッサと片づけてしまえって思って
適当なことを言ったのかもね」

私「・・・・・」

大家さん「そうなんだよね。
車のことを知らない、って思われると
ものすごい値段を吹っ掛けられたリするんだから、
本当に気を付けないとダメだよ!」

私「そういえば、今朝修理業者に電話したら
『廃車にするのに150ポンドかかる』って言われました」

Eさんと大家さん「えー!?」

大家さん「車を引き取ってもらうのにお金を払うって、あり得ないよ。
普通はお金をくれるものだよ。ね、E?」

Eさん「そうだよな。
動かない車でもパーツ取りできるんだから、
多少なりともお金がもらえるはずだよ」

私「そうですか、知りませんでした・・・」


イギリスに来て何度も思ったことではありますが
『知らないと、損をする』ということを
また身をもって思い知らされました。



・・・というわけで、
またしても大家さんに助けてもらいました。

前に助けてもらったときのことは、こちらに書いています ↓
http://yewtree.seesaa.net/article/450999061.html


そういえば、この時から大家さんの対応に感謝して、
「私もファミリーの一員なんだ」という意識が芽生えて、
先日、建物の外玄関に置いてあった、
枯れた植物が植わったままの大きな壊れた植木鉢に
テラスで育てていたゼラニウムを植えました。

4月に買った、こちら(上段の3つ)のゼラニウムが
とても大きく育っていて、
沢山の花を咲かせていたのです。

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赤いドアだったので、
きっと赤とピンクのゼラニウムが似合うだろうなと思い、
大家さんに許可を貰って植えてみたら、
思っていたとおり、とても可愛い玄関になりました。

IMG_1186.JPG

大きく育ちすぎていて、
ドアの開閉に支障をきたすほどだったので、
ちょっと剪定してしまったため
あまり花が咲いていませんが、
蕾が沢山ついているので、
すぐに満開になってくれると思います。


車のことは、明日にならないと分かりませんが、
車がダメだったとしても、
こうしてまた大家さんに助けてもらった経験や、
タイミングベルトについての知識を得ただけでも
良かったと思います。


こんな年になっても、
騙されることがあったり、
知らないことが多かったり、
世の中で、女一人生きていくのは大変です。

でも、こうして助けてくれる人がいるのも事実なので、
嫌なことにばかり目を向けずに
大家さんとEさんがいてくれたこと、
つまり良かったことに目を向けて、
前向きに頑張りたいと思います。

この記事へのコメント

  • たま

    凄いことですね、身近に車の修理工がいたなんて。しかも無料でチェックしてくれるなんていいですね。騙されるところでしたね。
    車に詳しい人がいると騙されないで的確なアドバイスがもらえて嬉しいですね。
    なんとまあ適当なAAですね。無知な人から金とる輩が多いと大変ですね。
    騙されないようにしないとね。大家さんに助けられてよかったですね
    2017年07月19日 06:54
  • アラフォーの派遣

    いやあ~。なんと言いますか。その生活、エキサイティング過ぎますね。。
    2017年07月19日 10:06
  • ちーのまま

    まだどうなるかわからないにしろ
    大家さんが、親切な方で良かったです。
    安い料金で直るといいですね。

    もしもだめだったとしても、何も知らなかったら
    お金取られてたのですもんね。
    何事も勉強して、ある程度の知識必要なんですね。
    私も全然いろいろなこと、詳しくありませんが
    調べる努力はしようと、思いました。
    出来れば、上手く直ってまた、ドライブに行けることを祈ります。

    いろいろ経験すると大変な思いをしますが、勉強にもなるのですね。
    2017年07月19日 10:19
  • まお

    こんにちは。イレギュラーの連続で大変でしたね。
    高速運転中にエンジン停止したけど、事故らなかったこと。
    路肩無かったけど、すぐに仕事に真面目な警察に危険な場所から動かしてもらえたこと(もし無知に付け込む警官だったら!)。
    修理工場に運ばず自宅に運んだ結果、大家さんに事情を話せて車に詳しいEさんに診てもらえたこと(一人で修理工場入れてたらボラれてもわからない!)。
    不幸中の幸いですんだことが沢山ありますね。
    車が無事治ってまたイチイさんを楽しませてくれますように!
    2017年07月19日 12:46
  • ミルモ

    こんにちは。
    足元見る業者もあるね、でも修理出来そうなら良かったね(^-^)日本のJAFとはサービスとか違うのね、いい加減ですね。イチイさんの回りに優しい人が沢山居て、良かったね(*^^*)お花も綺麗に咲いてるね、これからもっと咲いてくれますね。・・・またね(^_^)/~~
    2017年07月19日 20:20
  • イチイ

    たまさん、ありがとうございます。
    本当に、日本で一人で生きていたときは、そんな人様に助けてもらうことなんて考えてもいませんでした。この国は「だまされるのが悪い」みたいなところがあるのかもしれません。自衛手段としていろいろな知恵をつけないといけないなと思いました。
    2017年07月20日 07:30
  • イチイ

    アラフォーの派遣さん、コメントをありがとうございます。
    本当に、次から次へと色々と信じられないことが起こります。平穏な暮らしとは程遠いし、あまり落ち込んでもいられません。良いのだか、悪いのだか・・・
    2017年07月20日 07:31
  • イチイ

    ちーのままさん、ありがとうございます。
    直すのはダメそうですけれど、また一つ勉強になりましたし、大家さんの親切さに触れることができて、嬉しかったです。お金はもったいないことをしましたが、かなり色んなところに行って沢山の経験をすることができたので、それだけでも十分だと思えます。
    2017年07月20日 07:33
  • イチイ

    まおさん、ありがとうございます。
    本当に、あとから考えると不幸中の幸いが沢山ありました。その場その場での的確な判断をしなければいけないのはプレッシャーでしたし、私の判断が正しかったのかもわかりませんが、とりあえず何事もなく無事に帰ってこれて、大家さんの親切心に触れることができて、良かったです。
    2017年07月20日 07:34
  • イチイ

    ミルモさん、コメントをありがとうございます。
    車はダメそうです。でも、これはこれとして仕方ないと受け止めるつもりです。お花、ありがとうございます。テラスで自分だけが楽しむよりも、住人の皆の目に触れられるところに移動できて、きっとゼラニウムも喜んでいると思います。
    2017年07月20日 07:35