Regents Park のバラ園

ロンドン市内には多くの公園がありますが、

そのうちのひとつ、Regents Park(リージェンツ・パーク)には

とても広いバラ園があります。


イングリッシュローズの開花時期はとても短いので、

10日くらい前に「そろそろ見頃かな?」と思って

会社帰りに行ってきました。


会社からバスに乗って公園に向かう途中、

Bさんから電話がかかってきました。


Bさんは、こちらで書いた人です ↓



前にBさんの愚痴を聞いた後、

ときどき電話やメッセージで

「飲みに行かない?」

「ごはん食べにいかない?」

と何度か誘われていたのですが、

いつも適当な理由を付けて断っていたのです。



Bさんからの電話に出ると、こう聞かれました。


「イチイさん、今、どこ?」


「リージェンツパークに向かうバスの中で、

ちょうどBさんのオフィスの手前くらいだよ」


「あ、そうなの? ふーん・・・

ちょっと話を聞いてもらいたくて、

パブにでも誘おうと思って電話したんだけど・・・

(リージェンツパークへ行く)予定変更は、なし?」


「うん。申し訳ないけど、

バラの季節は短いから、今日を逃したら、

今年のバラは見れないかもしれないから」


「えー、最近いつもフラれてばかりだなぁ」


「ごめんね」


「そっかー。うーん、じゃ、私も一緒に行こうかな?

今、ちょうどバス停の近くにいるから、

イチイさんが乗ってるバスに、私も乗るよ」


「え??」



・・・ということで、

次のバス停でBさんが乗り込んできました。


やっぱり職場関係の愚痴を聞いてほしかったみたいで

バスの中で、いろいろと話し始めました。


前のときに、「それは大変だね」と同調すると

言いたいことが膨らんでくるタイプのように感じたので

「へー」「ほー」「そうかー」といった感じで

のらりくらりと返答していましたが、

愚痴(と悪口)はエンドレスに続いていました。



そうこうするうちに、リージェンツパークに着きました。


バラ園が見えてくると、

Bさんの顔に ぱぁっと明るい笑顔が広がりました。


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そして、私がバラの写真を撮ったり、

香りを嗅いだりしていると、

いつのまにかBさんも隣にきて

「このバラの色、面白いね!」と

私に話しかけてきました。


さっきまで愚痴をダラダラ言っていたのに

あっという間に気分が変わったようです。


そのうち、Bさんはバラに飽きたのか、

ベンチに座って池の鴨を観察し始めました。


バラに満足した私が、

Bさんの座っているベンチのところへ行くと

こう話しかけてきました。



「イチイさんはバラがいいみたいだけど、

私は鴨がいいなぁ。


ほら、見て! あそこに小鴨がいるんだよ」



Bさんが指さすほうを見てみると、

3羽の小鴨が母鴨の後ろを泳いでいました。


「ほんとだ! かわいいね!」



そんな感じの他愛のない会話をしながら、

のんびりと公園の出口に向かいました。



そして、私がこのバラの写真を撮っていたら

後ろから、Bさんが私に声をかけました。


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「あ! ねぇ、イチイさん!

こっち、この角度が絵になるよ。

ほら、どう? 写真撮ってみて!」


「どれどれ? あ、ほんとだー」


と言いながら、

私が撮影した写真がこちらです。


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帰りのバスでは、

Bさんから愚痴の言葉は一切出ませんでした。


その逆に、こんな風なことを言って

とても楽しそうにしていました。


「イチイさんのおかげで、リフレッシュしたよー。

やっぱりオフィスにばかり引きこもってたら、ダメだね。

こういう自然に触れ合う時間って大事だよね」



リージェンツパークのバラは、

少し終わりかけではありましたが、

それでも、まだ数えきれないくらいのバラが

咲き誇っていました。


こちらは、まるで花束が並んでいるかのようです。


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こちらの薄いピンクのバラは

造花のように美しい形をしています。


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Bさんは黄色いバラが気に入ったようで

黄色いバラを見るたびに、

「ほら、見て!きれいだねー」と話しかけてきました。


そしてこちらは、

Bさんが特に気に入っていたバラです。


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このバラは、Golden Smiles(黄金の笑顔)という名前でした。


公園を出るときのBさんの笑顔を見ながら、

Bさんが好きなバラの名前どおりの

Golden Smile だな、と思いました。



さっきまで暗く、ぶーたれた顔をしていたのに、

あっという間に気分を和ませてくれるなんて、

バラ(と鴨も?)ってすごいな、と思いました。


前にBさんの愚痴を聞いたとき、

一生懸命励まそうとしたのに、全然ダメでした。


自分まで疲れ切ったうえに、

Bさんは不満を募らせたままで終わったのです。


でも、何もしていないのに、

美しく咲き誇っているだけなのに、

まるで魔法のように、

瞬く間にBさんのストレスを消してしまい、

さらに明るく前向きな気分にさせるなんて

バラ(と鴨)って すごいですね。

この記事へのコメント

  • 本場のイングリッシュガーデニングの薔薇たちを見せてくてれありがとうございます。

    緑や花を愛でると元気になるしストレスも解消になりますよね〜。
    私もガーデニングを夢中にしていると嫌な事もすっかり忘れてしまう事があります。
    草花や樹木から発するフィトンチッドという化学物質に触れると自律神経を整えるらしく、
    グリーンセラピーという治療もあると聞いたことがあります。
    きっとBさんも知らず内に植物たちからセラピーを受けてたのかもしれませんね。
    2017年06月25日 10:26
  • たま

    すごい!!バラの効果は絶大ですね~~~。愚痴言っている暇あるならばバラ園行ってバラの匂い嗅いで目で色を楽しみ心を明るくした方がいいですね。愚痴なんていくら言っても解決しません。ただネガティブスパイラルに陥るだけです。それならば行動起こして体動かして五感を刺激させるような場所行った方がいいですね。
    Bさんいつも狭い行動範囲で動いているから自然に目が言っていないのでは?ストレス解消法が見つからなかったのでは?
    まずは行動起こして自分の殻破ったほうがいいですよ。
    2017年06月25日 10:46
  • ミツミ

    美しい薔薇や庭園の写真にいつもうっとりしています。
    実物はもっと美しいんでしょう。
    イチイさんの写真を拝見していたら、久々にロンドンへ、本当に行きたくなりました。

    繰り返す愚痴は悪意を増幅して、結局自分が疲れてしまいますが、こういった綺麗なものを目の当たりすると、世界もまだまだ捨てたもんじゃない、綺麗な世界がある、と思って元気になります。

    私も、疲れると森林浴をしますが、とても静かになりますねえ。
    2017年06月25日 18:34
  • ミルモ

    イチイさん(^o^)/
    どうなる事かと(/--)/人間は環境を変えたり気分を変えるって、大切ですね(*^-^*)その人は良い時間を過ごせたんですね。バスまで乗ってくるって、イチイさんは聞き上手なんですよ。きっと。話しやすいんでしょうね。バラとつぼみね見た瞬間ね、日本で暮らしてたイチイさんと、今のイチイさんって思ってしまいました。変な意味でなくてね(^-^)ふと思いました。ピンクのバラ綺麗ですね、黄色も素敵だね。・・・また一週間頑張って、無理のない程度に。またね('ー')/~~
    2017年06月25日 20:58
  • イチイ

    かんちゃんさん、ありがとうございます。
    本当にガーデニングをしていると癒されます。フィトンチッドというのは初めて聞きました。グリーンセラピーなんていうものもあるのですね。
    Bさんも明るい笑顔になって良かったです。
    2017年06月28日 03:32
  • イチイ

    たまさん、ありがとうございます。
    本当ですね。きっとBさんもモヤモヤした気持ちをどこにぶつけたらいいか分からなかったのだと思います。今朝、Bさんに会う用事があったので、家のバラを1輪だけですがプレゼントしました。机に飾って、和んでくれるといいな…と思っています。
    2017年06月28日 03:33
  • イチイ

    ミツミさん、コメントをありがとうございます。
    写真よりも本物のほうが何倍も美しいです。香りも楽しめますし・・・ ロンドンは、今の季節が一番良さそうな気がします。
    おっしゃるとおり、毎日の生活に疲れ切っていても、ほんのちょっとしたきれいなものや、優しい気持ちに触れると「世の中ってまだまだ捨てたもんじゃないな」って思って、頑張れますよね。お互い、いろいろなことがありますが、こうしてたまに癒されながら前に進んでいきたいですね。
    2017年06月28日 03:35
  • イチイ

    ミルモさん、ありがとうございます。
    私も最初はどうしようかと思いました。でも、やっぱり心根は優しい人のようで、すぐに元気になってくれて嬉しかったです。
    私はまだバラが咲いているのか分かりませんが、これからも少しずつ前に進めたらいいなって思います。ミルモさんも無理せず、お過ごしくださいね。
    2017年06月28日 03:36