コベントリー 地獄行きご一行様は・・・

コベントリーのホーリー・トリニティ(三位一体)教会には
最後の審判の壁画があります。

逆光になっていて分かりずらいのですが、
こちらのアーチの上部に描かれています。

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拡大してみましたが、
やはり暗くて見えないので・・・

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ガイドブックの写真を撮ってみました(笑)

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この壁画が完成したのは1436年だそうですが、
実は、コベントリーでは1426年に大地震が起きたそうです。

当時の人々は地震の起こる原因など知る由もなく、
「聖書に書かれている世界最後の日が来た!」
と絶望したそうです。

そして、その後何とか生き延びた人々は、
その地震(世界最後の日)を忘れぬよう
この「最後の審判」の壁画を描いたとのことです。


こちらの壁画は、世界最後の日にイエス・キリストが
天国に行く人と地獄に落ちる人を
振り分けている様子を描いていて、
右下のほうに描かれているのが、
地獄行きが決定した人々なのだそうです。

そして、アーチの右側(地獄側)に描かれている、
この下の写真で19という番号が
書かれているところにいる人たちですが・・・

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なんと、この人たちは王様や女王様、
そしてカトリックの枢機卿たちなのだそうです。

赤い帽子はカトリック教の枢機卿の証であり、
つまり、法王の次に偉い人が地獄行きなのです!

教会の壁画に、
地獄行きご一行の一員として王族や
カトリックの上位聖職者を描くなんて、
なんて大胆なことを・・・と驚きました。

当時の聖職者は汚職まみれだったかもしれませんが
それでも表立って批判するようなものを
教会の壁画に描くなんて、
怖いもの知らずにもほどがあるなぁ と
驚きを通り越して、思わず感心してしまいました。



そして、この壁画の真向かい、正面入口扉の上には、
暗いトーンの壁画とは対照的な、
光を受けて輝くステンドグラスがありました。

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このステンドグラスは、
1956年に作られたものだそうですが、
中央のイエス・キリストがシックスパックのイケメンで、
これまたビックリです(笑)

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美術館などで見るイエス・キリストとは全然違って、
まるでハリウッド俳優のような美男子ですね。



そのほかにも、教会内に置かれていた、
1833年に作られたという、
この大きな椅子にも面白いエピソードがありました。

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この椅子は、当時この教会の牧師が、
友人であるスコットランドの司教を
教会に招き入れるために作られたのです。

当時の英国国教会では、
スコットランドの聖職者が教会内に足を踏み入れる
(英語で「set foot」=足を置く)ことは
固く禁じられていたそうです。

そこで、牧師はこの大きな椅子を作らせ、
椅子ごと友人の聖職者を教会内に運び入れたそうです。

身体は教会内に入りましたが、
確かに「足を踏み入れ(set foot)」てはいないので
英国国教会の決まりを破ったことにはなりません。

なんだか屁理屈ような話ですが、
いつの時代も、教会の聖職者ですら、
法の目をくぐるような
「抜け道」を考え出してしまうものなのですね。

「人間味あふれる」とでも言いますか、
「昔の聖職者」と聞くと堅苦しいイメージですが、
やっぱり普通の人間なんだなぁ・・・
と妙な親近感がわきました。


教会内では、午後から開催される
コンサートのリハーサルをしていました。

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教会内に響き渡るブラームスの音楽を
身体いっぱいに浴びながら、
ゆっくりと教会を見学させてもらえて、
とてもラッキーだったと思います。


そして、こちらはこの教会で、
なんとなく見入ってしまったステンドグラスです。

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薄いエメラルドグリーンとピンクの色合いが上品で、
見ているだけで気持ちが癒されました。


この教会、たまたま立ち寄っただけではありましたが、
いろいろなものが見られて、
思いのほか充実した時間を過ごせました。

この記事へのコメント

  • たま

    ヒョエ~~、いいチャンスに巡り合えましたね。コンサートの準備しているときに教会の仲間で見られるなんて素敵だね。
    良かったね。しかも親切な人に案内されていいね
    2017年04月25日 08:45
  • イチイ

    たまさん、ありがとうございます。
    はい、何の気なしに立ち寄った教会でしたが、とてもラッキーだったと思います。普段、あまり他の人と触れ合う生活をしていないので、とても嬉しかったです。
    2017年04月26日 05:24