人懐こい笑顔の裏には・・・

マラケシュに到着して、
ようやくホテルに到着したと思ったら、ホテルは停電中。

小雨が降りだしたこともあり、
仕方なく真っ暗な部屋で仮眠することにしましたが、
起きたら午後3時をまわっていました。

のそのそと部屋を出ていくと、
ロビーに宿のオーナーがいて、
私に声をかけて来ました。

「停電は終わりましたよ。
そういえば、チェックインの時に、
レストランを紹介してほしいって言ってましたよね。
とても美味しくて素敵なレストランがありますよ」

そういえば、そんなことをお願いしていたな・・・と思い、
場所を教えてもらおうと、地図を持って行ったら
オーナーはにっこり笑いながら、
「この辺ですけど、同僚に送って行かせますよ」
と言ってくれました。

でも、また案内してもらったらチップを要求されるのかも・・・
と思った私は、オーナーにこう言いました。


私 「でも、広場もゆっくり見たいし、
場所を教えてくれれば、一人で行けます」

オーナー 「そしたら、広場まで連れていって、
その後にレストランまで案内してあげますよ」

私 「でも、広場にある銀行で両替もしたいし」

オーナー 「両替所ならレストランの近くにもありますよ」

私 「でも、一人で大丈夫です。レストランはどの辺ですか?」

と地図を差し出しても、
「この辺り」とざっくり指で示すだけで、
どこだかさっぱり分かりません。

お腹が減っていたこともあり、
この問答が面倒になってきて、
「100円くらいのチップなら、まぁいいか」と思ったので
レストランに案内してもらうことにしました。

「わざわざ案内してくれるなんて、なんて親切なんだろう。
しかも小雨が降っているのに、申し訳ないなぁ」

人の良さそうな、笑顔の絶えないオーナーだったので、
私はこんな風に思っていましたが、
今思えば、このやり取りで
「怪しい」と思うべきだったのです。


そして、冷たい小雨の振るなか、
ホテルの人にこちらのレストランに案内してもらいました。

DSC_0957.jpg

レストランは、このリヤド(B&B)の最上階にありました。
でも、メニューを見て、
思わず「えっ!?」と声をあげてしまいました。

といいますのも、3コース料理しかなくて、
しかも、お値段が180ディルハムもするのです!

Nさんに聞いていたお料理の相場は、
フナ広場沿いの見晴らしの良い高級レストランでも、
メインのお料理は40-60ディルハム、
デザートや飲み物込みでも、
100ディルハム以下だと聞いていたからです。

それなのに、ほぼ倍の180ディルハムです。

でも、宿の人に案内されてしまったし、
テーブルについてしまったので、
もうレストランを出ることは出来ません・・・

出てきたお料理は、こんな感じです。

DSC_0941.jpg

そして、メインはこちらのペストリー生地に
チキンのスパイス煮が詰まったモロッコの地元料理にしました。

DSC_0947.jpg

大きさが分かるように、
フォークの先を一緒に写してみましたが、
ご覧の通り、決して大きくはありません。

そして、デザートはこちらです。

DSC_0951.jpg

フルーツが丸ごと出てきて、
ナイフもない(あったけれど、下げられてしまった)ので
食べようがありませんでした。

これにミントティーがセットになって、
180ディルハム(約1800円)です。

くどいようですが、マラケシュ旧市街きっての
高級カフェの2倍のお値段です。

旅行中の食事が1800円だと考えれば
決して高くはないのかもしれませんが、
相場に比べると、あまりに高すぎます。


そして、レストランの中を見回してみたら、
私のほかに3組のお客さんがいましたが、
みんなリヤドの人に連れて来られた人たちでした。

おそらく、お客さんを連れて行くことで
リヤドに報酬が入るのだと思います。

だから、その分お値段が上乗せされているんだな、
と納得してしまいました。


しかも、です。

お会計のときに200ディルハム札を出したら、
ウェイターが高飛車な態度で
「お釣りはいるか?」と聞いてきたのです!

チップの習慣があるとは聞いていましたが、
同じくチップの習慣のあるイギリスでは、
仮にチップを置いてくれるものだと思っていたとしても
とりあえずお釣りを持ってきます。

「チップをよこせ」と言わんばかりの態度に戸惑いつつも、
まだモロッコのコインを見たことがなかったので、
「ええ、持ってきてください」と言ったら、
そのウェイターは、あからさまに嫌な顔をしました。

お釣りの20ディルハムは
そのままチップとして置いてきましたが、
あの高飛車な態度と
あからさまに嫌悪感を表に出すウェイターに、
とても驚きました。


でも、このレストランでの嫌な経験は、
これだけで終わらなかったのです。


その日の夜、寝ていたときに胃がムカムカしてきて
夜中に目を覚ましたのです。

そして、そのままトイレに行って、吐きました。

レストランで早めの夕食を摂った後は、
お店で買ったミネラルウォーターしか飲んでいません。

部屋が寒かったからかもしれませんが、
お昼過ぎまではどこも具合が悪くなかったので、
おそらくあのお料理が原因だと思います。

考えてみれば、前菜のオリーブなどは
誰かの食べ残しをそのまま出したりしても、
こちらにしてみれば知る由もありませんから・・・


宿のオーナーは感じの良い人だと思っていたのに、
結局、少しでもお金を儲けたいだけだったんだな。

レストランの人も、
少しでもお金を儲けることしか考えていなくて、
衛生面とか気にしていないのかも?

そんなふうに思ったら、
なんだか悲しくなってきてしまいました。


騙されるほうが悪い。

騙されるほうが、馬鹿。

観光客からは、お金を搾り取れるだけ搾り取る。

きっと そんなふうに思っていて、
オーナーの言葉を信じて「きっと美味しいところだろう」と、
楽しみにレストランに向かう観光客の気持ちなんて
少しも考えていないんだろうな・・・

トイレで げーげー吐きながら、
ぼや~ とした頭でそんなことを考えていたら、
なんだか泣きたくなってしまいました。


それはもちろん、商売で営業しているのだから
お金儲けをすることは悪いことではないと思います。

でも、半ば強引にレストランに誘導して、
少しでも観光客からお金を取ろうとするなんて・・・

どうりで、地図を見せても場所を教えてくれないわけです。
宿の人が私を連れて行かないと、
その宿が紹介した客だと分からず、
コミッションも貰えないでしょうから。

サービスが悪いうえに、
衛生的にも問題あり?で吐くようなお料理を出す、
そんな酷いレストランに案内しておきながら
人の良さそうな笑顔で平然としていられる、
その神経が信じられませんでした。


私が初日に出会ったモロッコ人は、
空港からの運転手さん以外は、
人懐こい笑顔を浮かべながら、
いかに相手からお金を取るか?ということしか
考えていないような人ばかりのような気がしました。

吐いて、空っぽになったはずなのに、
石が詰まっているかのように
重たく感じる胃をさすりながら
寒い部屋のベッドで丸くなって
「早くロンドンに帰りたいな」と思いつつ、
マラケシュの1日目が過ぎていきました。

この記事へのコメント

  • ミルモ

    こんばんは。
    体調いかがですか?嫌な気持ちになって、怖い思いしたね。国が違うと常識も違うしね、次から気をつけましょう(*^^*)勉強したと思えばいいしね。水が変わると体調壊すから気をつけて下さいね。危ない奴のときは、逃げないと駄目ですよ。楽しい旅が出来ますように(*^_^*)おやすみなさい(о´∀`о)ノまたね。
    2017年01月28日 21:05
  • うどん

    連続のボッタクリ被害お疲れ様でした…
    イチイさん優しい!私ならチップなんぞやらん勢いです。果物カットせずに出たなら「丸ごとくれてありがとう」と持って帰ります。
    更に旅先で馴れ馴れしい人は金目当てか!と思ってるんで、例えホテルのオーナーだろうが必要以上に構ってくる人はシャットダウンしてしまうのですが、それだと旅先での出会いも全て閉ざす事にもなるのでどっちもどっちですよね。
    この先少しでもイチイさんが癒される事を祈っています。
    2017年01月28日 21:54
  • 未来

    なんだか本当に大変…体調大丈夫ですか?しかし観光客はカモでしかないのかと悲しくなりますね…かなり強引なようで断るのもこちらが無視するなり嫌なやつになりきらないとダメなんですね。
    2017年01月29日 03:42
  • BlueDal

    酷い。酷すぎます。体調は良くなっていますか?
    人の良さそうな人物の裏の顔・・・ですね。客がどうなろうが知ったこっちゃない・騙すことが日常になっている人達。
    あまりに人間性が醜くて、悲しくなりますね。どうぞお大事に。
    2017年01月29日 14:09
  • kyouko

    こんにちは、元気にしていますか。痛いほどよくわかります。あ、お腹の調子が悪くなっていましたが、どうですかよくなりましたか。どこでなにを食べようと思った時にそんなこと酷い。
    2017年01月29日 18:46
  • たま

    これならばパック旅行、団体旅行の方がよかったかもね。カモになると大変だね。中国もカモとなる日本人が多いから大変ですよ。個人旅行は気をつけませんとね。
    中国だと換金しても帰国時にはある程度手数料取られて換金できなくなります。金だけとられるだけです。ぼったくりですが・・・
    発展途上国は気をつけませんとね
    2017年01月29日 18:48
  • ミツミ

    大変でしたね。。
    お身体大丈夫でしょうか?(私も一人旅で急性胃腸炎になり泣きたくなったことがあります。)

    いろいろ大変ですけど、嫌なこともあるあらいいことがあったときにより嬉しく感謝できる、と思うようにしています。

    次は気持ちのいい旅行ができるといいですね。

    お大事になさってください。
    2017年01月29日 21:03
  • イチイ

    ミルモさん、ありがとうございます。
    今日は1日中寝ていましたが、おかげさまで気力も体力も回復できました。ほんと、強烈な旅行でしたが・・・
    2017年01月30日 06:37
  • イチイ

    うどんさん、コメントをありがとうございます。
    私の場合は優しい人だとすぐに信じてしまうので、人間としての修行が足りないのかもしれません。旅先の出会いも、あったら素敵でしょうが、自分が痛い目を見てまでは・・・と思ったりもします。難しいところですよね。。。
    おかげさまで今日はゆっくり休んだので、元気になりました。色々とご心配くださって、ありがとうございました。
    2017年01月30日 06:38
  • イチイ

    未来さん、ありがとうございます。
    自分が嫌なやつにならないと、ってまさにそんな感じです。あまり考えたくはないのですが、にこにこしていると「こいつなら大丈夫」と付け入られてしまうのだと思います。少しの怒りと、大きな悲しさを感じました。この人たちはこの「騙し騙され」が日常なんて、(大きなお世話だと思いますが)気の毒だなって思ってしまいました。
    2017年01月30日 06:40
  • イチイ

    Bluedalさん、コメントをありがとうございます。
    私、思ったのですけど・・・「騙す騙される」が日常の世界にいて、それ以外の世界を知らなかったら、本人たちは悪いことをしているとは夢にも思わないのかも?と思いました。だからあの笑顔に偽りはなくて、なぜなら本人は悪いことをしているとは思っていないから。それって悲しいことですし、私みたいな思いをした観光客も数多くいると思いますが、いわゆる「一見さん」だからオーナーには知る由もなく・・・ つまり、無知だからこそ、悪気もなく「騙し」となる行為も自然にできるのかな?って思いました。
    2017年01月30日 06:44
  • イチイ

    kyoukoさん、ありがとうございます。
    あの夜は本当に惨めな気分になりました。でも、今はロンドンに帰ってきて、ほっとしています。やっぱり安全で騙される心配の少ない先進国っていいなって思います。ご心配くださって、本当にありがとうございます。なんとか元気になりました。
    2017年01月30日 06:45
  • イチイ

    たまさん、ありがとうございます。
    パック旅行は高いので、考えていませんでしたが、行き先によってはそういうほうが良いのかも知れませんね。発展途上国の人からみれば、私たちは全員カモなのでしょうね。よい勉強になりました・・・
    2017年01月30日 06:49
  • イチイ

    ミツミさん、ありがとうございます。
    その後は吐くこともなく、無事に過ごしています。本当に次の旅行は(予定はありませんが)、気持ちの良い旅行になるといいなって思います。ご心配くださって、ありがとうございます。
    2017年01月30日 06:52
  • kako

    私だったらメニュ=見てあまりお値段が高かったら文句言って席をたって出ちゃいます。酷い目に会われましたね。。。。早く元気に
    なってくださいね。
    2017年01月30日 13:49
  • イチイ

    kakoさん、ありがとうございます。
    私も席を立ちたかったのですが、他にほとんどお客さんがいないし、連れてきてもらった人が入口のところにいたので・・・ 次回からは(次回はないと願いたいですが)レストランを立ち去れるくらいの強さを身に着けたいです。
    2017年02月02日 01:50