マラケシュ ガイドの押し売り

マラケシュの旧市街は道が細く入り組んでいて、
普通の車は入ることができません。

そのため、空港からの送迎車は
旧市街の中心にあるフナ広場までしか
行くことができないのです。

そのため、フナ広場で車を降りて、
そこから小道に入り、
小さなスーツケースを転がしながら
宿のある方向に歩いていきました。

すると、若いモロッコ人男性たちが
片言の英語で声をかけてきました。

「ホテルを探してるの?」

「どこのホテルに行くの?」

10m歩くごとに声をかけられるくらいの勢いで、
人によっては『通せんぼ』をするように
私の目の前に立ち塞がったりするため、
まっすぐ歩くのも難しいくらいでした。

しかも、無視したり、
「I'm OK(大丈夫です)」と言っても、
しつこく後を追いかけてくるのです。

そして、Nさんからはこんな話を聞いていました。

「旧市街は迷路みたいに道が入り組んでいて、
ぼーっと歩いていると、モロッコ人が寄ってきて、
『どこに行くの?』 『それは、こっちだよ』とか
親切そうに話しかけてくるけど、絶対に無視してね。

親切な人だと思って、案内してもらうと
あとでガイド料を請求されるから」


だから、そういう人たちとは目も合わさず、
無視して歩いていたのです。

でも、ある曲がり角に差し掛かったときに、
「たぶん、この角を右に曲がるんだろう」と思って、
Google Map で印刷した地図を広げたときのことです。

私の後をついて来ていた若い男性が私の地図を覗きこみ、
ホテルの名前を目ざとく見つけると、
「ホテル・メイソウンなら、こっちだよ!」と言いいながら、
私のスーツケースを奪って歩き出したのです!


これは、まずい!
Nさんに聞いていた、自称ガイドだ!

と思った私は、慌ててこう言いました。

「No Thank you! I'm fine!(大丈夫ですから!)」

でも、男性は何も聞こえないかのごとく、
私のほうには見向きもせずに
早足でスーツケースを転がしながら、
先を歩いていくのです。


私は小走りになって男性を追いかけ、
スーツケースを取り返そうとしたのですが、
その男性は「It's OK! This way!(大丈夫、こっちだよ!」
と言いながら歩みを止めることなく、
しかもスーツケースから手を離してくれません。

そして、そんなことをしている間に、
宿の前に着きました。

そうなんです。

その男性が私からスーツケースを奪い取った場所から、
宿まではほんの20~30メートル、
歩いて30秒くらいの距離だったのです。


その男性が宿のドアをノックをすると、
オーナーが出てきました。

「まずいなぁ・・・」と思いつつ、
ようやく男性がスーツケースから手を離してくれたので、
そのまま宿に入ろうとすると、
案の定、男性はこう言いました。

「Wait! Please give me some (待って!なにか頂戴)」

そう来ると思っていました。

でも、たった30秒の距離で、
しかも強引に、勝手に案内した人に
お金はあげたくなかったので、私はこう言いました。


私「私、モロッコのお金を持ってないから」

男性「日本のお金でもいいから。プリーズ!」

私「・・・・No!」

男性「案内したのに! プリーズ!」


男性はニヤニヤしながら「プリーズ」を連呼し、
頑として宿の玄関から立ち去らないのです。

そして、仕方なく50ペンスコイン(約80円)
を渡そうとしたら、こう言うのです。

「No coin! Paper Money」
(コインじゃなくて、お札がいい)


え・・・・お札? と耳を疑いました。

私がもっている最低額のお札は、
5ポンド(約700円)です。

たったの30秒で、700円!?


さすがの私も、呆れてしまいました。

前日の夜に寝ていなかったせいか、
少しイライラしながら、私はこう言いました。

「このコインしか持っていません。
これが嫌なら、何もあげません!」

すると、男性は「それでいいよ」と言って、
50ペンスを受け取り、
ようやく宿の前から立ち去りました。


たったの80円ではありますが、
お金の問題ではないのです。

強引に荷物を持ち去り、
後を追いかけざるを得ない状況にするという ずる賢さと、
「お札をくれ」と恥ずかしげもなく言う、
その図々しさに怒りを覚えたのです。


あれほどNさんに言われていて、
その手口を知っていたにもかかわらず、
それにまんまと引っかかってしまったのだから、
自分の責任と言われれば、その通りなのですが・・・

でも、本当にちょっとした隙に荷物を取られ、
あとは男性の早足に追いつくのが精一杯でした。

その機敏な動作は手馴れていて、
いつもこうやって観光客をカモにしているんだな、
と、変なところで感心してしまうほどでした。


「この街では少しも油断できない!」と勉強になりましたが、
モロッコについてすぐにこんな目に遭ったうえに、
しかも、ようやく到着した宿は停電しているし・・・

『踏んだり蹴ったり』ってこういうことを言うのかな?

そんなことを考えながら、
停電のため真っ暗な部屋の中で、
ベッドにもぐりこんだのでした。


お昼の11時過ぎにベッドに入り、
目が覚めたのは午後3時過ぎでした。

小雨が降ってきているようで、
外に出て行くのが億劫ではありましたが、
お腹が減っていたので、
ご飯を食べに街中へ行くことにしました。

でも、ここでもまた
モロッコの洗礼を受けることになってしまうのです。


本当に書いてて、我ながら情けなくなるくらい、
今日はカモられてばかりの日でした(悲)

レストランでのことは、また改めてお話させてください。

こちらが、1泊目に泊まった宿の吹き抜け(ロビー)です。

DSC_0919.jpg

「リヤド」と呼ばれる、いわゆるモロッコのB&Bは、
こんなふうに吹き抜けになっている中庭があって
中庭に面してお部屋が作られています。

こうして写真で見ると素敵ですね・・・

この記事へのコメント

  • たま

    ああ~~もうカモにする人狙ってやっていることが常套手段となっているんだね。旅行者の無知に付け込んで金とる手法だね。大変なことになっていますね。気をつけて。
    トラブルに巻き込まれませんようにね
    2017年01月28日 11:16
  • BlueDal

    事前に情報や知識のあることで「気をつけなければ!」と思っていても、そんなに強引に、あっという間にやられたら、女一人で断固反抗しようにも無理だと思いました。
    手慣れているってことですよね。小柄な女性を狙ってしょっちゅうやっているのでしょう。
    毅然としてお札を出さなかったイチイさん、カッコいいです。外国に慣れていない人ならば、パニックになって出してしまうかもしれません。
    本当に、日本では考えられない悪行が多いのですね。
    2017年01月28日 12:58
  • ラテ

    いやいや、読んでみるとイチイさんだけじゃなく結構みんなひっかかりそうな気がします。私の場合は怖くてあまり強気にでられないかもです。(本来なら叫んで警察呼んだりしたいですが)
    詐欺?や押し売り以外でもナンパとかで女性が無視したらいきなり殴って事件になることもいろんな国でありますし。とくにモロッコだと宗教も違いますし揉め事になったときに外国人の女性が守ってもられるのか、とかいろいろ考えてしまいます。
    大変でしたね><
    2017年01月28日 14:17
  • うどん

    イチイさん、お疲れ様でした…と言うかまだまだボッタクリ被害に合ってるので続行中なんですね。BBも写真ではとても素敵なのに勿体無いと言うかタイミング悪いと言うか、不運が続く時は続いてしまいますよねえ。
    こういう時は私は開き直ってその不運状況を楽しむと言うか、よっしゃ!ネタが出来た!とポジティブシンキングに無理矢理持ち込みます。それでも滅茶苦茶疲労しますが…
    無理矢理な荷物奪われてのガイドは私も色々な土地でやられた事あるんですが、無理矢理断固としてNO!を言い続けるか、お馬鹿なフリしてニコニコ握手とハグして有難う!言いまくってバイバイして切り抜けました。でもこれが有効じゃない状況や相手もいるだろうし、イチイさん心を鬼にして頑張ってー!!
    2017年01月28日 16:43
  • イチイ

    たまさん、コメントをありがとうございます。
    とれらた金額はそれほど大きくないのでしょうが、気持ち的に大きなダメージを受けたような気がしました。この国で生きている日本人の人って、本当にすごいなって思います。
    2017年01月30日 06:30
  • イチイ

    Bluedalさん、ありがとうございます。
    まさに「手馴れている」という言葉通りです。私は、隣に宿のオーナーがいたから(一人じゃなかったから)強く出れましたが、私一人だったら怖くて紙幣を渡していたような気がします。お金で身の安全が買えるなら、って思いますし・・・
    悪行と言うべきか、たぶん彼らは悪いことだと思っていないのだと思います。これが彼らの日常、人がタバコのポイ捨てをするくらいの感覚なのかもしれないな、って思いました。
    2017年01月30日 06:33
  • イチイ

    ラテさん、ありがとうございます。
    あのときは隣に宿のオーナーがいたから、殴られたりはしないだろうとタカをくくっていたといいますか、強気に出られたのだと思います。あと疲れていて思考が鈍っていたのもあります。
    マラケシュには、一人では行かないほうが良いような気がしました。Nさんが「変わった」と言っていたので、ここ何年かで前までは大丈夫だったのかもしれませんが・・・
    2017年01月30日 06:34
  • イチイ

    うどんさん、コメントをありがとうございます。
    あの時は疲れきっていてポジティブシンキングなんて出来ませんでしたが、よくも悪くも色んなことを考えたので、良い経験にはなりました。
    おバカな振りして、というのは良い切り抜け方かもしれませんね。何もかも真正面から考えてしまって、うまく対応できなかったような気がします。ほんと、勉強になった旅でした。
    2017年01月30日 06:36