サン・ポール・ド・ヴァンス Saint Paul de Vence

私のなかでは、ニースは高級保養地というイメージで
物価が高くて、人々がツンケンしているような印象でした。

確かに高級ブランド品が並ぶ界隈があったり、
ジョギングしているマダムがしっかりお化粧して
ウェアとコーディネートされているアクセサリーをしていたりと、
お金持ちが多いんだなぁ・・・と思うことも数多くありました。

でも、私のような庶民でも、
工夫すればお金をかけずに
いろいろと楽しめるところでした。

とはいえ、こんなふうに安く楽しめたのは
NさんやTさんから色々と教えてもらったからだと思います。

これもすべて、旅行のきっかけをくれたNさんと、
周辺の観光地について丁寧に教えてくれたTさんのおかげです。

そして、そんな庶民の私の目から見た
ニースの良いところのひとつは
近郊の町へバスを使って安く行けることだと思いました。

もちろん電車も通っていて、
そちらの方が所要時間が短く、
時間を有効に使えるのだとは思いますが、
電車賃がバス代よりも高いのです。

ニースから出るバスに2時間くらい乗っても、
1.50ユーロ(約200円弱)しかかからなかったりするので、
私のようなお金をかけられない旅人にはありがたいです。

しかも、ロンドンではバスの運転手さんから切符を買うと、
自動販売機などで事前に買うよりも料金が高いのです。

でも、ニースでは運転手さんから買っても、
あらかじめ自販機などで買っても料金は同じなので
とても良心的だな、と思いました。



というわけで、前置きが長くなってしまいましたが
2日目は、バスに揺られながら
Nさんおすすめの村に行ってきました。

ニースからの1日観光ですと、
エズという高台にある村が有名なのだそうですが、
Nさんによると、こんな評価でした。

「素敵なところだから、
一度は行ってみるといいと思うけど、
エズの町は、城壁の周りをぐるりと回れないのよ。

見晴らしの良い箇所が何箇所があるけど、
一番見晴らしの良い場所は植物園になっていて、
お金を払わないと景色を楽しめないの。

そこからの見晴らしは絶景ではあるけれど、
なんというか・・・

高いお金を払わないと景色が見られないという、
その不自然さというか、
観光産業根性がちょっといただけないんだよね」


なるほど・・・

確かに、観光産業で成り立っている街とはいえ、
自然(景色)はみんなのもののはずなのに
それでお金を儲けているのは不自然な気もします。

とはいえ、その見晴らしの良い土地への入場料を取るのは
地主の当然の権利のような気もしますが、
なんだか世知辛いというか、残念ですね。

いずれにせよ、できるだけお金を節約したい私は
エズに行くのはやめて、Nさんの好きな街だという
サン・ポール・ド・ヴァンス(Saint Paul de Vence)
に行くことにしました。

詳しいことは知らないのですが、
サン・ポール・ド・ヴァンスは、かつて、
ピカソやシャガールも住んでいたことがあるという
丘の上にある、城壁に囲まれた中世の街だそうです。


ニース市内から、400番のバスに乗って行きました。

このバス停からは200番のバスも出ていて、
200番の終点はカンヌで、約2時間の道のりです。
でも、料金は1.50ユーロ・・・

良心的というよりも、
これで元がとれるのかしら?と心配になるくらい安いです(笑)

サン・ポール・ド・ヴァンス までは約1時間、
料金は同じく1.50ユーロでした。

20分くらい海沿いを走るのですが、
進行方向に向かって左側に座ると、
キラキラと日を浴びて光る海を見られます。

でも、丘の上にそびえる城塞都市である
サン・ポール・ド・ヴァンスを遠くから眺めるなら
進行方向向かって右側の席が良いと思います。

私は、行きは海側、帰りは反対側に座りました。


サン・ポール・ド・ヴァンス は城壁に囲まれています。

城壁内に入ってすぐ右側に
小さなインフォメーションセンターがあったので
地図をもらいに立ち寄ってみると、
なんと日本語の地図をくれました。

私以外は1人も日本人を見かけませでしたが
普段は日本人観光客が多いのでしょうね。


くねくねとうねった細い石畳の道と
両側に立ち並ぶ古い石造りの家々は、
おとぎ話や中世の騎士物語の舞台のようです。

DSCN2359.jpg

画廊やお土産屋さん、
そしてレストランが並ぶメインストリートを外れると
洗濯物がはためいている生活感のあふれる家や
ドアの周辺に美しい植え込みを施している家があり、
まるでタイムスリップしたような気分になりました。


そして、この家の郵便ポストが可愛くて・・・

DSCN2404.jpg

普通の郵便ポストに手書きのペイントが施されていますが、
サン・ポール・ド・ヴァンス を遠くから眺めた景色です。

DSCN2405.jpg

色とりどりの花に囲まれた美しい城塞都市。
この郵便ポストを描いた人の
サン・ポール・ド・ヴァンスに対する愛情を感じさせてくれる、
素敵な郵便ポストだと思いました。


街をぐるりと見て回るのには1時間もあれば十分ですが
私は城壁の周りをあちこち回りつつ、
2時間以上この街にいました。

城壁からの眺めは、こんな感じです。

DSCN2379.jpg

DSCN2394.jpg

大きな石が積み上げられた分厚い城壁、
かつては、この上を見張りの兵が歩いていたのかな?

戦いのときは、この隙間から矢を射ったりしてたのかな?

DSCN2386.jpg

そんなことを考えながら、
飽きもせずに眼下の景色を眺めていました。


そして、街と景色を眺めているときに思ったのです。

15世紀とか16世紀に作られた建物に、
今でも人が住んでいます。

住む人は変わっても、街は変わらずに残っていて、
数百年前と同じ佇まいを見せています。

そしてきっと、この後数百年経った後も
この姿のまま残っているのでしょう。


この街に住んで、この街を慈しんできた人たちと
そんな人々の心に応えるように
この街も、そこに住む人たちを守ってきたんだろうなぁ・・・

そんな風に思うと、
どっしりとした石造りの家々が頼もしく見えて、
単なる「おとぎ話の街みたい」という気持ち以上の、
もっと人間味のあふれる、温かい町並みに見えました。


古い家に住むのは、
いろいろとメンテしないといけないし
スーパーマーケットすらない小さな城塞都市なので
生活するのは大変だと思います。

でも、そんな大変さをおしてでも
「こんなところに住んでみたいな」
と思わせてくれる素敵な街でした。


この記事へのコメント

  • 未来

    素敵な場所を教えて貰えてラッキーでしたね。しかもバス🚌の運賃が安い!ゆっくりと古い町並みを堪能出来たんですね。郵便ポストの可愛らしいこと。街に対する愛が伝わってきますね。その街に滞在して、イチイさんも色んな想いを巡らせたのですねー。良い時間を過ごせて羨ましいです。私もいつか行ってみたいなぁ。ニース、確かに高級観光地?と言うイメージしかなかったので、教えて貰えて良かったです。
    2017年01月02日 15:00
  • kako

    ヨーロッパの古い街にあるくねくね曲がった石畳の路地いいですよね。昔は外敵から街を守る為にひろい通りは避けて馬車の入れない
    細い道。。。。でも007だとオートバイで駆け抜けそう。
    とても風情があってロマンチックです。エストニアの古い街中、スペインのマドリッドやカディス、アメリカの近所では昔スペインの植民地だったサンホワンなんかにこんな景色が出てきて楽しませてくれます。新年早々とても素敵な旅に出れてよかったですね。羨ましいです。
    2017年01月02日 23:33
  • イチイ

    未来さん、コメントをありがとうございます。
    ニースとその近郊は素敵なところでした。お金をかけずとも楽しめますので、いつか一度足を運んでみてください。
    2017年01月03日 07:34
  • イチイ

    kakoさん、コメントをありがとうございます。
    なるほど、外敵が入ってきたときに攻めにくいような作りになっているのですね。アメリカ大陸にもこんな街があるのですね。アメリカ大陸は広いですものねぇ・・・
    おかげさまで充実した旅行になり、気分を切り替えることができました。これから1年、がんばるぞ!というエネルギーをもらえたので、旅行に行って本当によかったです。
    2017年01月03日 07:43