ボリス・ジョンソン首相の言葉に耳を疑いました

朝ごはんを食べながらニュースを見ていたら、
昨日夕方にボリス・ジョンソン首相が行った
定例会見を放送していました。

そして、それを聞いた途端、
思わず飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになりました。

彼は、こう言っていたのです。

「acted responsibly, legally and with integrity」.
(彼は、誠実かつ合法的に責任のある行動をとった)

これを聞いて、
思わず「どこが!?」と独り言を口にしていました。

この背景を説明しますと、
ドミニク・カミングスという
首相の Senior Advidor (上級顧問)がいまして、
この人はボリスさんの首相選挙の時に活躍し、
いまでもBrexit対策のブレーン的な人であり、
今回のコロナウイルスのロックダウンに関する
法律制定にも携わった人なのです。

ところが、ロックダウンが始まった後の、
3月27日にカミング氏の奥さんが子供と一緒に
実家のダーラムというイギリスの北東、
ロンドンからは車で5時間弱もかかるところへ
行ったことが明らかになりました。

しかも、その奥さんはコロナウイルスの疑いがある
症状が出ていたにも関わらず、
ロックダウンの決まりを破ってダーラムへ行ったのです。

そして、その後、
どうやらカミング氏自身もダーラムへ行ったらしく、
数日後にダーラムの有名な観光地で
カミング氏の目撃情報があったそうです。

更にその数日後にロンドンの議会に出ていたことから
カミング氏はダーラムからロンドンへ戻ってきて、
平然と業務を行っていたことになります。

自分が制定にかかわった法律で、
国民にはロックダウンという不自由を強いて、
そのロックダウンによって職を失ったり
借金をもつ羽目になった大勢の人がいるのに、
当の本人は平気でルールを破っていたわけです。

しかも、ダーラムへ行った理由は
Childcare(子供の世話)と言われていますが、
どうやら子供の誕生日パーティーを行うためだった、
という噂が立っています。

昨日、このことを知った時に、
当然カミング氏はクビになると思いました。

なぜなら、数週間前に、
同じようにロックダウンのルールを破った
スコットランドの政治家がクビになっていたからです。

このときに書いたことです ↓

そのため、このニュースを聞いたときには
「そういう自分勝手な人っているよねぇ」
くらいにしか思っていませんでした。

ところが、このカミング氏について
ボリスさんはさっきのような言葉を述べて、
「彼はロックダウンのルールを守っていた」ともとれる、
玉虫色なことを言って誤魔化したと言いますか、
カミング氏の行為を容認したのです。

これは、イギリス人が最も嫌うことのひとつ、
『ダブルスタンダード』以外のなにものでもありません。

カミング氏は、これからのBrexit対応に
なくてはならない人だとは思いますが、
スコットランドの前例があるわけだから、
どう考えてもクビにせざるを得ないと思ったのですが、
全然違いました。

ご存じの通り、イギリスとスコットランドは
同じ国(United Kingdom)ですが、
実はスコットランドにも議会があって、
独自の通貨を発行しているくらい、
独立意識の強い地域なのです。

スコットランドの通貨もポンドで、
価値も全く同じなのですが、
絵柄が違うのです。

イングランドでも通用する紙幣のはずですが、
実際に使おうとすると、
多くのお店で使うのを断られます。

前にスコットランド・ポンドでお釣りをもらったときに、
お釣りを渡す前に店員さんが
「スコットランドポンドしかないんだけど、いいかしら?」
と聞いてきたくらいなので、
受け取るほうも断ることが多いのだと思います。

そして、スコットランド議会も大きな権力をもち、
First minister を務めているのが
ニコラ・スタージェンさんで、
彼女は毎日12時に生放送の会見を行っています。

ちなみに First ministerは「首席大臣」なので、
Prime Minister 首相ではありません。

そして、ニコラさんの Chief Medical Officer
(イギリス議会の保険相みたいな役割)である、
キャサリン・カルダウッドさんが
遠くにあるセカンドホームに行ったことが明らかになると、
その翌日12時の会見で、
彼女をクビにしたことを報告していました。

そのような前例があったため、
ボリスさんもカミング氏をクビにすると思っていたのです。


そして、今日の12時にニコラさんの会見を見ていたら、
ある報道記者が「カミング氏のことをどう思うか?」と
ニコラさんに聞いたのです。

いつも力強く話すニコラさんらしくなく、
口調は強いものの、少しどもったような調子で、
彼女らしくもなくダラダラとこんなことを言っていました。

「キャサリン・カルダウッドさんは健康部門の責任者で
本人も医学の知識があったため
リスクを正しく認識していたにもかかわらず
そのような行為を行ったからクビにしたのです。

その点、カミング氏は違いますから・・・」

私はほぼ毎日ニコラさんの会見を見ていますが、
こんな風にしどろもどろになった様子は
初めて見ました。

きっとニコラさんも困ってるんだろうなぁ、
と思わず苦笑してしまったくらいです。


今朝から大勢の人たち、
ボリスさんと同じ保守党議員ですら
カミング氏の行為は明らかな違反で、
ボリスさんの処置は間違っている、と主張しています。

結局、昨日夕方の生放送会見で収めることができず、
今日の午後(時間は未定)にカミング氏本人が
会見を行うことになったそうです。

イギリス政府のブレーンである人が
どんな言い訳を披露するのか、
今から興味深々です。


こちらは拾った枝から挿し木で育てた
シトラスの香りがするゼラニウムです。


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去年の今頃、道を歩いていたら、
なにかの拍子に折れたと思われる、
4cmくらいの枝があったのです。

他の枝や土も落ちていたので、
たぶん植木鉢を落としたか何かして、
折れたのだと思います。

ゼラニウムは丈夫なのを知っていたので
拾ってきて、挿し木用に処理してから
土にさしておいたら、
グングン大きくなりました。

ほんのちいさな枝だったので、
花が咲いたときには「こんな花だったのね」と
思いのほか可愛らしいピンク色の花を見て
なんだか嬉しくなりました。

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posted by イチイ at 22:00Comment(4)イギリスの実情

花を手折る人

イギリスではバラが盛りになり、
私も毎朝、枯れたバラの花を切りに行っています。

幸いなことに自宅勤務、
(日本では『テレワーク』と呼ぶようですね)
英語では『Work from Home』と呼びますが、
朝の9時前にリモートアクセスで
パソコンにログインすれば良いので、
朝の7時くらいに家を出てガーデンへ行き、
8時半くらいに帰ってきて
パソコンにログインしています。

土日は2-3時間かけて草むしりしたり、
バラの花切り以外の作業をしています。

これまで毎年バラの手入れをしていましたが、
通勤時間と残業などのために、
これほど頻繁に手伝いに行くことができませんでした。

そして、毎日行くことになって気づいたのですが、
あまりに沢山の人たちがバラの花を手折っていくのです。

ガーデン自体は森の中に小路があるような作りなので、
2mの距離を取ることができず、
ゲートを閉めて立ち入り禁止にしているのですが、
道沿いの柵に添わせているバラが被害にあっています。

こんなふうに、ガーデンの内側の壁ぎわに植えてあるバラの一部が、
外側(道路側)に広がっているのです。

外に向かって伸びた枝は冬のうちに誘引し、
春になって芽が伸びだしたときも
道にはみ出さないようにカットしたり、
スペースが空いているようであれば
若枝は折れやすいので、
折れないように気を付けながら誘引しています。

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でも、朝早くにガーデンに行って、
「ああ、このバラは明日には咲くなぁ」と思って、
翌日の朝に楽しみにしながらガーデンへ行くと、
こんな風に、引きちぎられたように手折られているのです。

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今は咲いている花が少ないせいで、
バラを手折られたことがとても良く分かるのですが、
毎日2~3輪の花が被害にあっています。

そして、今日行ったら・・・

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柵に誘引していたバラが多くの蕾を付けた状態のまま
1mくらいの長さで引きちぎられていました。

引きちぎられた箇所は
フェンスの外から中に手を入れないと届かない場所なので、
通りすがりに誰かがぶつかって折れた、
などということはありえません。

おそらく、長めの花枝が欲しくて手折ったものの、
手折った枝の一部が紐で柵に結わえ付けてあったので、
枝を柵から外すことが出来ずに、
諦めて放置して帰ったのだと思います。

冬に誘引したとき、
できるだけ紐が目立たないように
柵の陰に隠れるように紐を結んでいたので、
手折った時には紐などないように見えたのでしょう。

バラの誘引は真冬の寒いときにするのですが、
紐を結ぶときには手袋が使えないので
素手で作業しないといけません。

手をバラのトゲで傷だらけにしながら、
かじかむ手で1本1本ていねいに誘引した、
あの苦労が思い出されてきて、
喉の奥から苦いものが沸き上がってきました。

綺麗なバラを見て、つい手が伸びる、
ということはあるかもしれません。

ほんの数本のバラがなくなるくらいなら
私は目くじら立てませんし、
実際、今日この誘引したバラを折られるまでは
「仕方ないなぁ」と思いつつも
手折られたところから雑菌が入らないよう、
グチャグチャで裂けたような切り口を
ハサミでキレイに切り直していました。

でも、今日は、
もう溜息しか出ませんでした。

この折られた長い枝は、
道行く女性が気づいて「ここ、切れてますよ」と
ガーデンの中で作業している私に教えてくれたのです。

折れた枝を見て
大きなため息をついた私を気の毒に思ったのか、
こう言ってくれました。

「本当に酷いわねぇ。バラも可愛そうに。
『バラを折らないで』という看板を置いたらどうかしら?」

「そうですね。そうしてみます」

と言い、家に帰ってきてから
ボランティアのリーダーに看板を置いてもらうよう
お願いするメールを書いておきました。


それにしても
なんでガーデンのバラを折り取るのでしょうか?

バラなんて、スーパーでも売っていますから
欲しかったら買ってくればいいのに。

このバラが好きだったら、
私に言ってくれれば、
誘引したところではない、
差支えのない間延びした枝をカットしてあげたのに。

実際、これまでに何度か
道行く人に頼まれてバラをあげたことがあります。

自分で育てたいなら、
半年くらい待ってくれたら
挿し木にして増やしてあげたのに。

野生に生えているものならまだしも、
きちんと誘引されて、
手入れされているのが分かる状態のものを
手折っていく神経が理解できません。

折り取った人には些細なことで
「たかがバラ」で、
罪悪感すら感じないのかもしれません。

そんな人たちばかりではないのは分かっていますし、
前に手袋をくれた優しい人もいました ↓

でも、今日のことを考えるとやるせなくなって
行き場のない憤りを持て余しています。

今日のことを思い出すと
バラの手入れをするのがイヤになりそうなので、
良いことだけを思い出しながら
今日はもう寝ようと思います。

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posted by イチイ at 07:02Comment(8)バラのこと