英国下院 メイ首相の Deal に NO でした

今日は風邪をひいていたので、
家でBBCテレビの Brexit 速報番組を見ています。

やっぱり・・・という感じですが、
House of Common(下院)は、
メイ首相の Deal に No との判断を下しました。

YES が202票、No が432票でした。

結果が出た直後から、
メイ首相の強気の演説が始まっていますが、
野次がすごいです。

メイ首相の演説が終わると、
労働党のジェレミー・コービンが演説を始めました。


メイ首相はこの Deal で
EU の合意を取り付けているのに、
この期に及んで、
一体何をやってるんだろう・・・と、
外国人の私は思ってしまいます。


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コービンは、まるで舞台俳優のような勢いで、
「この結果は、現政権に対する不信任を表明したということだ!」
と話していました。

これに対して、現政権の閣僚の一人がこんなことを言っていて、
思わず笑ってしまいました。

「議会は、メイ首相の Deal に NO と言ったのであって、
政府に対して NO と言ったわけではない」

よくもまぁ、こういう屁理屈が
ポンポン出てくるものだなぁ・・・と感心します。

確かに、今回の投票は Deal に対する投票です。

そして、今回の結果を受けて、
明日、現政権に対して、
信任か不信任か話し合うことになりますので、
確かに、この人の言うことは正しいのですが・・・

私みたいな素人は
「どっちも同じじゃない?」と思ってしまいます。



Brexit のターニングポイントと政府の役割

今朝のBBCニュースは、
Brexit の話題で持ちきりです。

メイ首相が提示している Soft Brexit 案を受け入れるか否か
今夜7時、House of common(イギリス下院)が投票を行うのです。

色んな人たちのインタビューが放送されていましたが、
報道されている人たちの言葉をまとめると、
こんな感じでした。


Confusing(混乱している)

Embarrassment(戸惑っている)

Badly Handled(手際が悪い)


メイ首相は、この案が可決されなければ
No Deal だと言っているそうです。

All or Nothing に近い提案しかできないなんて、
首相としてどうなのかしら?と思っていたら、
やはり、この案が可決されなかったら、
メイ首相が解任される可能性が高いそうです。


世間のオッズでは、
否決される可能性が高いと言われています。

それを裏付けるように、
昨夜の議会では、労働党のキーパーソンである
ジェレミー・コービンが強い口調で、
こんな演説をしていました。

「メイ首相の案は、明日の夜 拒絶されるだろう!
そうなったら、総選挙だ! 新しい政府の誕生だ!」


そして、もしメイ首相の案が否決されたら、
Brexit をするかどうか、
もう一度国民投票をする可能性も出てくるそうです。

Brexit を2カ月後に控えて、
「やり直し」とは Badly Handled(手際が悪い)にも
程がありますよね。

それに、現状メイ首相が提示している Deal の詳細が、
報道からは伝わってきません。

もう一度国民投票をするなら、
Deal の内容を詳細に理解しておかないと、
単にこの混乱した状況を脱したいがために、
Brexit に反対する人も出てくると思います。


専門家の人は、「もし Brexit を遂行するなら、
メイ首相の案は Sensibleだ」と言っていました。

「もし」という言葉を使うところからして、
国民投票がまた行われることが想定内であることが分かりますし、
Sensible という言葉も、微妙だと思いました。

辞書を見ると、
Sensible は「分別がある」という意味ですが、
イギリス国内で実際に使われている状況から考えると、
こんな感じの意味です。

「良い(Good)」とか
「納得がいく(Understadable、Agreeable)」とは言えなくて、
「仕方ないな」みたいな、妥協が少し混じったニュアンスで、
「まぁ、そんなところかな」といった感じの意味です。

どちらかというとポジティブな意味合いではありますが、
「これ以上良い提案はないだろう」と断言できるほどの
説得力のある言葉ではないのです。


実際、ある下院議員はメイ首相の案について、
「Not Good enough for our future」
(我々の将来を考えると、不十分だ)と言っていました。

この Not Good enough もイギリスらしい言い方で、
文字通りに捉えると、
Bad ではない(悪くはない)が、
Good でもない(良くもない)という意味合いです。

でも、イギリス人の大半は面と向かって、
誰か(何か)に対して「Bad」とは言わない文化なので、
Not good enough と言われたときは、
つまり「悪いんだな」と思ったほうが無難なのです。

ハッキリとは言わずに、
それとなく伝えるのですが、
こういうところは、日本人みたいですよね。


私がアジア人同僚と Brexit について話していたときは、
Brexit したほうが私たちには有利だろう、
という結論になりました。

と言いますのも、私たちが払っている税金が、
東欧から流れてきた、税金も払わずにいる人たちの保護、
医療費や生活保護などに使われているわけです。

税金を払わないのに、
政府のお金を消費している移民が減ると、
いろいろな面で官費が節約できると思います。

また、同じ資格や経験をもったヨーロッパ人とアジア人がいたら、
これまでは、ビザのいらないヨーロッパ人が採用されていましたが、
どちらもビザが必要だということになったら、
アジア人にとって、
より良い職を見つけるチャンスが増えるわけです。


同僚のイギリス人弁護士さんは、
「Brexit を決めたのなら、
もっとハードに交渉するべきだった。
イギリスが抜けて困るのは、EUも同じなのだから、
もっとうまく交渉できたはずだ」と言っていました。


私には自分の意見を言えるほどの頭も、
知識もありませんが、
ニュースに出ていた人が言っていた、
この言葉が印象に残りました。

「政府の役割は、
国民が決めたことを実行していくことでしょう?

国民が決めたことを、
『これは、ちょっと・・・もう一度、考え直して』
と言って押し返すのは、彼らの役割ではない」

公務員は Civil Servant(公僕) と訳しますが、
Civil(市民)の Servant (召使)だという意識が
根付いているからこその発言だなぁ、と思いました。


いずれにせよ、
今夜がターニングポイントになることは確かなので、
結果がどうなるのか、興味津々です。


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