バスの中でのスモール・トーク

昨日、IKEA へ行く途中で乗った、
バスでの出来事を書かせてください。

病院でのアポイントとりで疲れ切った挙句に、
電車と地下鉄を3本乗り継ぎ、
ようやく最後の移動であるバスに乗った時のことです。

疲れていたせいか、
バスの揺れが心地よくてウトウトしかけた頃、
隣に座っている男性が、声を掛けてきました。

「ほら、あの空を見て!」

ぱっと目が覚めて顔をあげると、
オレンジ色やピンク色、
薄い灰色や水色に彩られた空が、
目の前に広がっていました。

「うわぁ!」と思わず声をあげると、
その男性はこう言いました。

「僕はこの先に住んでいるんだけど、
ここからの夕陽はすごくキレイなんだ。

もうすぐ、左手に一番きれいな夕陽が広がるよ。
ちょっと待ってて・・・

ほら、ここだよ!」

彼がそう言ったとき、
バスは小高い丘の頂上に出ていました。

頂上から四方に道が伸びていて、
そのうちの1本はロンドンの
シティ(ビル群)の方角に続いていました。

スカイガーデンから見た時には
見上げるほど大きかったビルたちは、
ここから見るととても小さく見えました。

そして、その下の地面を埋め尽くすように
隙間なく住宅が広がっています。

その上に覆いかぶさるように大きく開けた空は、
ピンク色に染まっていました。

急いで写真を撮ったのですが、
ブレてしまい、しかも色が白っぽくなってしまいました。

ほんの数秒のシャッターチャンスを逃した私に
彼は「写真もいいけど、生で見たほうがもっといいよね」と、
笑いながら、残念そうにしている私を慰めてくれました。

そして、他愛のない世間話をしばらくしていたら、
彼が降りるバス停に到着しました。

それだけのことで、
何があったわけでもありません。

でも、彼の地元を愛する気持ち、
自慢の夕陽を他の人にも見せてあげたい、
という気持ちが伝わってきて、
なんだか嬉しかったです。

きっと、もし彼の隣に違う人が座っていたら、
彼は私にではなく、
その人に同じように話しかけていたことでしょう。

たまたま隣に座っていたから、
きれいな夕陽を見ることができました。

私も彼のように地元を愛して、
その気持ちを臆することなく、
ニッコリ笑いながら赤の他人に自慢できるような、
そんな素直な行為ができるようになったらいいな、
と思いました。


夕陽の写真は撮り損ねてしまいましたが、
バスを待っているとき、
目の前に魚屋さんがありました。

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ロンドンでは、新鮮な魚を売っているお店は、
とても少ないのです。

スーパーで売っている魚も、
タラかサーモンかサバかマグロくらいで、
マグロは虹色に輝いていたりして
「いつ捕獲したマグロなんだろう・・・」と
不安になるような魚ばかりです。

新鮮な魚が珍しいので、しばらく眺めていたら、
変な魚がいるのに気づきました。

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この毒々しい緑色の魚です。
Parrot Fish (Parrot=オウム)と書かれています。
調べてみたら「アオブダイ」という、タイの一種でした。

お店で見た時は「毒々しい色」とか「不気味な魚」などと思って、
美味しいものには見えませんでしたが、
タイだと聞いたとたん、
美味しそうに見えるのが不思議です(笑)

お値段も、他の魚が1kg当たり7ポンドくらいなのに、
このアオブダイは1kgあたり12ポンドもしていました。

やはり、イギリスでもタイは高級魚なのですね。