ちょっとしたイベントがありました。
大会議室にロンドン市内のホテルの営業さんが来て、
ホテルの紹介(プレゼンテーション)をするイベントです。
色んな部署の事務員が集まっていましたが、
面白いことに、と言いますか、
もしかしたらこれが普通なのかもしれませんが、
自然と日本人と外国人がそれぞれ固まって座っていました。
私はとりあえず空いている席に座って
プレゼンテーションが始まるのを待っていたのですが、
待っている間も手持無沙汰なので、
隣に座っていた日本人女性に話しかけてみました。
「はじめまして。
先日入社した、イチイと申します。
○○部署でアドミンをすることになりました」
そんな風に話したら、
おそらく私と同年代か、
少し年下くらいに見える女性は
その隣に座っている日本人女性に目くばせした後に、
こんな風に言いました。
「ああ、あの部署ね・・・大変でしょう?」
「いえ、いろいろと丁寧に教えてもらって、
すごく助かっています」
そう答えたら「ふーん」と意味深な返事をして
それっきり会話が弾みませんでした。
今度は、反対側の隣に座っていた
肌の浅黒いイギリス人の人に、
同じように話しかけてみました。
「はじめまして。
先日入社した、イチイと申します。
○○部署でアドミンをすることになりました」
「ああ、そうなの!
仕事はどう? まだ数日じゃ、分からないかな?」
屈託なく話しかけてくれたので、
また、同じようにこう答えました。
「いえ、いろいろと丁寧に教えてもらって、
すごく助かっています」
「ああ、〇〇さんと一緒の部署なのね?
彼女、すごくいい人よね!」
「はい、面倒見が良くて驚きました」
そんな感じで、
会話が弾んだというほどではありませんが、
それなりに会話が続きました。
全く同じことを言ったのに、
日本人とイギリス人では、
反応が全く違ったのです。
おそらく、日本人女性たちは、
私の前任者たちがイジメられて辞めた噂を知っているようで、
「ああ、あの部署か・・・」みたいな反応でした。
イギリス人のほうは、
その噂を知っているのかどうかは分かりませんが、
仮にお世辞だとしても、
きちんと話を合わせてくれて、
しかもちゃんとその人のことを褒めていました。
そんなイギリス人の反応を見て、
意味深な「ふ~ん」という言葉だけ残し、
何も言わずに目くばせだけをする日本人女性の反応に、
正直なところ、がっかりしてしまいました。
イギリス人がお義理として褒めただけという可能性もありますが、
どちらにしても明るく受け答えをしていた彼女のほうが
大人らしいと言いますか、
分別のある対応のような気がしたのです。
どうして日本人の女性たちは、
ハッキリ言わなかったのでしょう?
何をハッキリ言うの?と聞かれると困りますが、
「大変なところだって聞いたけど、大丈夫?」とか
「入って間もないと大変だろうけど、がんばって」とか
もう少し言いようがあるだろうに・・・
などと思っていたときに、
はっと気づきました。
私も昔はそうだったかもしれない、
ということに気づいたのです。
この国に来て、
欲しいものは「欲しい」と言わないと、
嫌なことは「困ります」と言わないと、
どんどん自分が辛い立場になってしまう状況を何度も経験して、
だんだんと自分の気持ちを主張するようになった気がします。
それに、毎週末通っているボランティア施設では、
見知らぬ人に話しかけなくてはいけない状況が多いため、
自分から言葉を発することや、
知らない人に声をかけることに慣れてきたようです。
初対面の人にでも、
ニッコリ笑って「ハロー、ハウアーユー?」と言えば、
無視するような人はいない。
そんなことを、ボランティアの場を通して
経験として実感したので、
初対面の人に話しかけるのが、
以前よりもずっと楽になりました。
何でもかんでも主張することが良いとは思いませんが、
ただ、本音をいいあぐねて意味深な反応をするのは、
相手を不安にさせるので
良くないのかもしれません。
それに、きちんと対応していたイギリス人と比べると
すごく女子高生(子供)っぽい反応に見えてしまいました。
こんなちょっとしたことからも、
人とのかかわり方の勉強になるんだなぁ・・・
と思いながら、プレゼンテーションを聞いていました。
私も、このイギリス人女性のように
上手な対応ができるようになりたいものです。
こちらは、先週末見かけたワンちゃんです。

生後14週間だそうで、
飼い主さんから離れようとしません。
飼い主のお爺さんと雑談をしていたのですが、
「この子を飼ってから、僕の人生は変わったよ」
そんな風に言いながら、
目を細めてワンちゃんのことを見ている姿が、
相思相愛っぽくて素敵でした。