イギリスに来るきっかけになった会社なので、
恩を感じてはいますが、
辞めることができて、ほっとしています。
小さな会社で、
よく言えばアットホームな会社、
悪く言えばワンマン会社でした。
ワンマンというよりも、
社長のお気に入りになると、
給料も上がるし、待遇も良いし、
楽にお金を稼げる会社でした。
逆に、社長(とその父親のCFO)に嫌われると
かなり辛い目にあう会社でもありました。
実は、私は社長たちに嫌われていたのです。
こちらのブログで細かいことを書くと、
万が一にも知り合いに見られて、
何かあったら困ると思って、
(去年の12月のときのように・・・)
あまり具体的なことは書きませんでしたが、
もうすぐ辞めるので、
差しさわりのない範囲で書いてみたいと思います。
言い訳のようですが、私が嫌われた原因は、
英語力に起因するところが大きかったと思います。
たとえば、こんなことがありました。
同僚が出張して帰ってきたとき、
私が経費を精算するのですが、
その同僚はいつもタクシーの領収書を忘れたり、
空港へ行く電車のチケットを捨ててしまったり、
何かしら足りないものがあるのです。
あまりにそういうことが多いから、
「次から気を付けてください」と伝えるつもりで、
「You are always lame. Please be careful」と言ったら、
その同僚は顔色を変えて、怒り出しました。
私としては、書類がそろっていない=不完全な、
という意味で「Lame」という単語を
使ったつもりだったのですが・・・
そのときの私は知らなかったのですが、
Lame という単語は
たとえば身体とか精神に問題があったりして、
何かが「不完全」なこと、
つまり、通常の行動ができないような人のことを呼ぶ、
差別的な言葉だったのです。
でも、イギリスに来て2週間後くらいのことで、
なぜ同僚が怒っているのかすら、
そのときには分かりませんでした。
その後、その同僚は他の人や社長たちに
「イチイが俺を Lame と呼んだ!」と
陰で言いふらしていました。
表だって言ってくれたら、
「意味を知らなかったの。ごめんなさい」と言えたのですが、
そうやって言いふらしていることを知ったのが、
数カ月後のことで、
そのことを知った時には、もう手遅れでした。
そんな感じで、
言葉の使い方を間違えた私の第一印象は
最悪だったようで、同僚たちは結託して、
私に対して冷たい態度を取っていました。
その後、私と二人三脚で仕事をしている上司は
基本的に私が平和主義で、
悪意をこめて言ったわけではないことを
理解してくていたようですが・・・
でも、他の人たちが、
社長や社長のお父さんにまで触れまわったので、
私の直属上司以外の人からの
私に対する態度も厳しくなったのです。
見下すようなことを言われたり、
ときには私が話しているのに聞こえないふりをされたり、
ちょっと何か意見を言うと、
「何も知らないくせに。少し黙っていてくれ」
などと、頭ごなしに怒られたりしました。
また、同僚たちは毎週金曜日にパブに行くのですが、
会社帰りのパブ飲みに誘われたことは
一度もありませんでした。
みんな30歳から40歳過ぎの大人(男性)なのに、
陰でコソコソ言って村八分にするなんて、
まるで女子高生のようだな、
などと思ったこともありました。
でも、そもそも私が言葉の使い方を間違ったのが原因なので、
いつか理解してもらえる日が来るだろう、
という淡い希望をもちながら
耐えるしかありませんでした。
そして、数か月前から嘘つきの同僚が入ってきて、
彼女は上司たちのご機嫌取りが上手なこともあり、
さらに私に対する周囲の対応が冷たくなってきました。
そんな毎日が続いていたので、
正直なところ、会社に行くのが辛くなっていました。
こういうとき、小さい会社って辛いですよね。
他の人と仲良くすることができないので、
社内ではどうしても孤立してしまって・・・
でも、同じビルで働いている日本人の人たちとは
仲良くなれたので、それだけが救いでした。
それに、ボランティアを始めたこともあり、
会社で冷たくされても、
ボランティアを通じて知り合った人たちが優しかったので、
週末を張り合いにしてなんとか頑張れました。
もし会社の人たちしか知らなかったら、
きっと私は「イギリス人は陰険だ」と、
イギリス人に対する印象が悪くなっていたと思います。
ボランティアで知り合った人たちのおかげで、
イギリス人を嫌いにならずに済みました。
「イギリス人」というくくりではなく、
きちんと一人一人を見ないといけないな、と思えたのは、
ボランティアで知り合った人たちのおかげです。
今の会社に、恨みなどはありません。
逆に、居心地の悪い会社であることが、
転職活動をする気持ちを
後押ししてくれた部分もあるので、
これはこれで良かったのかもしれない、
とすら思います。
いろいろありましたが、
残り2日、笑顔で乗り切りたいと思います。
こちらは、大家さんのネコです。

不思議なポーズをとっていますが、
ゴロゴロ言っていたので、
たぶん、気持ちよかったのだと思います。
猫って、本当に何を考えているのか分からず、
不思議な生き物ですね。