駅のベジタブルガーデンには、
イチゴが茂った箱があります。
駅の植物をお手伝いするきっかけになったときのことは、
こちらに書いています ↓
http://yewtree.seesaa.net/article/452267486.html
こういう箱のことを Bed(ベッド)と呼ぶのですが、
このストロベリー・ベッド、
もさもさと茂りすぎです。
このイチゴは、今年の春先に植えたそうですが、
私は、Jさんにこう聞きました。
「今年、イチゴは沢山収穫できました?」
「イチゴがなっているのは、見たことがないな。
誰かが摘んでいるのかもしれないけれど」
やっぱり・・・と思いました。
葉っぱと新しい芽を伸ばすのに養分が使われて
花がほとんど咲かなかったのだと思います。
いずれにせよ、2年目のイチゴの株は
収穫量が減ったり、
イチゴが小さくなるので、
このワサワサと茂っているイチゴから
子株をとって、それを植え直す必要があります。
実は、子供の頃に兄がイチゴの株を買ってきて、
家のベランダで育てていたことがあるのです。
あの頃は植物の世話なんて余裕もなく、
家でも学校でも居場所がなくて、
いつも遅くまで図書館にこもっていました。
でも、図書館にいたおかげで、
兄が育てているイチゴの育て方に興味を持って
調べたことがあるのです。
イチゴは、ランナーと呼ばれる紐状の茎が伸びて、
その伸びた先に、子株ができます。
そして、その子株からもランナーが伸びて
親から見て2番目の子株ができます。
そして、2番目の子株からも・・・
と、油断するとどんどん子供を増やして
こんなふうにイチゴ(の葉っぱ)で
溢れたベッドになってしまうのです。
子株が土に定着したら、
そのまま根っこを生やしていくので、
子株をベッドの土ではなく、
小さな植木鉢に植えていきます。
親から見て1番目の子株は
親の病気等をもっている可能性があるため、
2番目以降の子株を植木鉢の土に入れます。
子株には根っこになる部分があるので、
その部分を土に入れておけば、
1週間くらいで根が伸びていきます。
ランナーが太いと、
土に植えてもランナーの弾力のせいで
土から抜けてしまいますので、
その場合は、U字型のヘアピンなどで留めておきます。
・・・というわけで、
とりあえずワサワサした親株から
子供たちを小さな植木鉢に入れた土に刺しました。
親株からランナーを切り離して
家で子株を育てようかとも思いましたが、
この方法だと根かない株もあります。
根付いて落ち着くまでは、
親から伸びるランナーを切らないほうが
ほぼ100%根付きます。
30個くらい子株が根付いたら、
親株を全部抜いて、
土に肥料を加えて耕して、
3つくらいの畝を作って、
10個ずつ並べて植えるつもりです。
すでに涼しくなりつつあるイギリスでは
今がランナーから子株を取れるギリギリの季節でした。
話の流れとはいえ、
この時期にお庭を手伝うことになって良かったです。
そうでなければ、このモサモサしたイチゴは、
そのまま放置して、
来年までこのままワイルドな姿をさらしているか、
全部引っこ抜いて、
新しい株を買ってきて植えるしかありません。
なんとなく・・・ですけれど、
いずれにせよ親株は引っこ抜くしかありませんが、
新しい株を買ってくるよりも
親から取った子株を植えてあげたほうが
なんとなく罪悪感が少ないと言いますか、
きちんと血統(?)を絶やさないでいられるので、
そのほうが良いと思ったのです。
だから、Jさんの許可を得て、
子株を増やして、
イチゴのベッドを改造することになりました。
イチゴの子株は水遣りを切らさないのがポイントですが、
平日はJさんが水遣りしてくれるそうです。
こうして、みんなの協力で、
美味しいイチゴができて、
駅を利用する人たちが摘み食いしたり、
真っ赤になったイチゴを見て、
気持ちが明るくなったりしたら、
なんだか素敵だなって思いました。