イングリッシュガーデン

パックウッドハウスのお庭に出てみました。

あ、ここ、テレビに出てた!

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・・・と思いながら、
この小道を歩きました。


ご存知の方もいらっしゃると思いますが、
いわゆる「イングリッシュ・ガーデン」というのは
自然のまま(のように)雑多な植物を
こんなふうに一緒に植えている庭のことです。

雑多に植えているように見えて、実は・・・

壁際の日陰になりやすいところには
日陰に強い植物を植えたり、

道から見たときに万遍なく植物が見えるように
背の低い植物を手前に植えたり、

人工的に見えないように、
平行に並べて植えたりせず、
咲いたときにバランスよく見えるよう植えたり、

植える花も「一斉に開花して終わり」とならぬよう、
割く時期が微妙にずれる花を複数植えたり、

・・・と、雑多に植わっているように見えて
実は、植える植物の選択の時点から
頭を使って計画的に植物を揃え、
植えるときも咲いたときの状態を考えている、
とても手の込んだお庭なのです。

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こちらの(下の)写真のように
お庭の小道や壁際にライン状に植わっているものを
Herbaceous border(ハーベイシャス・ボーダー)
と呼ぶのですが、文字通り、
草花で作った縁取りのことです。

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こういうのも、
イングリッシュ・ガーデンに多い特徴です。

先日行った、Shaw's Corner にも、
ボーダー(縁取り)と言うよりも
中州のようになっている Herbaceious Border がありました ↓
http://yewtree.seesaa.net/article/450138191.html

こんなふうに、庭師さんのセンスによって
イングリッシュ・ガーデンにも個性が出て、
1つとして同じものがないところが魅力だと思います。


そして、このお庭には果樹園もありました。
古いものは300年以上前に
植えられたものもあるそうです。

果樹よりも、
木の下に広がるキンポウゲが春を感じさせてくれて、
とても可愛かったです。

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そして、こんなものも・・・

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「庭師長のおすすめ」と題されたワゴンで
パックウッドで株分けされた植物が
売っていました。

こんな素敵なお庭を作る人の選んだ植物なら
きっと間違いはないはず。欲しい!

・・・と思ったのですが、
ハーベイシャス・ボーダー向きのものばかりで
テラスで鉢植えで育てるには(=1株だけでは)
寂しくなりそうなものばかり。

残念でしたが、何も買いませんでした。


それから、こちらは
パックウッドハウスの説明をしてくれた
ガイドのサリーさんが一番気に入っているバラだそうです。

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「ほら、これを見て!
まるで蝶々が羽を広げているみたいでしょ」

と、上品な濃いピンク色をした花を手に取り、
愛おしそうに話していました。

ナショナルトラストには
ボランティアのガイドさんがいて、
1日に何回か時間を決めて、
短いガイドをしてくれます。

この日、私は朝一番の回に参加したせいか、
お客さんは私一人でした。

私一人だと分かったときには
「私がガイドを諦めれば、
この人は仕事が減って楽になるかも」と思い、
「あの、私一人なら別にいいです」と言ったら
サリーさんは、こう答えてくれました。

「パックウッドのことを
少しでも多くの人に知ってもらうのは
私の喜びでもあるから、気にしなくていいのよ」

この人、本当にこの屋敷が大好きなんだなぁ・・・

そんなふうに思いながら、
サリーさんの話を聞いているうちに、
こんな気持ちになりました。

既に亡くなって、
跡継ぎもいなかったバロン・アッシュの
この家に対する思いや情熱は、
こうして別の人たちに
ちゃんと受け継がれているんだ。

観光客の目を楽しませてくれる、
素晴らしい建築物や家具調度品だけでなく、
その家に託した主人の思いや愛情までも、
きちんと今の時代にまで残してくれているんだ。


「歴史ある家」と言えば、
それで終わりかもしれません。

でも、その歴史は
屋敷それぞれ固有のものですし、
そこに長年住んできた人の思いも違うわけです。

そう思うと、
今、私がこの屋敷と庭にいられることが
とても有難く感じられました。

上手く言えませんが、
人と人との出会いのように、
人と建物、人と庭との出会いや
人と昔の人が抱いていた思いとの出会いもあるわけで・・・

そういう出会いに恵まれて、
この屋敷とお庭、
そしてバロン・アッシュのことを
詳しく知ることができて、
とても嬉しかったのです。