日本に来てすぐに携帯ショップに行ったのですが、
住所を証明するものがないため、
購入できなかったのです。
しかも、外国のクレジットカードを
支払いに使うことができないと言われて、
日本の銀行口座を作りにったら、
これまた住所を証明するものがなくて
口座を開くことができませんでした。
日本を離れるときに持っていた
銀行口座はあるのですが、
以前のブログから読んでくださっている方なら
覚えてらっしゃるかもしれませんが、
日本にいたときは底辺に近い生活をしていて
なけなしの貯蓄はイギリスに来たときに使い果たし、
残高がほとんどなく、
キャッシュカードも有効期限が切れていて
使うことができない状態でした。
マイナンバーももっておらず、
身元を証明するものがなくて、
しかもホテル滞在の住所不定なわけですから
仕方がないと言えば仕方がないのですが
日本国民の誰もができることができず、
まるで日本人不適格者のレッテルを貼られたかのような
嫌な気分になりました。
嫌な気分だけでも持て余してしまうのに、
携帯のない生活の不便なことと言ったら・・・
ホテル滞在とは言え、
安いホテルだったのでフロントはほぼ無人、
部屋に電話機もないため、
ホテルから電話をかけることもできませんでした。
何をするにも苦労が伴う、
そんな毎日を続けていたのです。
実は、今のアパートの契約を結んだとき
契約書を携帯ショップに持参したのですが、
契約書ではダメだと言われて、
携帯が買えなかったのです。
家に引っ越して、
都内の区役所に住民届けを出して、
その足で住民票を出してもらって、
その住民票で、ようやく携帯が買えました。
正直なところ、
携帯電話が手に入ったからと言って
誰かに電話するなどということはないのですが、
どこかへ行く時のGoogle Map とか、
お店の営業時間を調べたりすることができず、
慣れぬ土地で苦労していた日々を思うと
携帯のありがたさが身に沁みます。
これは、携帯が手に入らなくて
途方に暮れていた時期に入った
ラーメン屋さんにかかっていた額です。

これを見たときに
「なんとかなる」という言葉が
とても無責任な言葉に思えて
「人の立場も知らないくせに・・・」と思いましたが、
今こうして見てみると、
長い間携帯がなくて苦労しましたが、
「なんとかなったな」と思えるようになりました。
なんとかなるまでには
何度も携帯ショップに行っては断られたり、
「住処が見つからなくて携帯も買えない」
と数えきれないくらい落ち込みました。
「なんとかなる」というのは、
なにもせずにいて「なんとかなる」ということではなく、
なんとかする(行動する)からこそ
「なんとかなる」という意味なのかもしれませんね。